†漆拾弐† ページ33
国広の神気を感じたのは
目の前にいる審神者に何故だか国広が
憑依した事によるものらしい。
俺と触れた事で今は意識はないのだと。
信じられないが、髪と瞳の色が変わった理由が
それなら合点がいった。
女は続けて話を続ける。
『堀川様は、貴方との錬結を望んでいます』
和泉「！？何だと？」
『貴方の役に立ちたいと。そう言っていました。
…………と言っても貴方は信じないでしょうね』
和泉「………………」
『私は私なりに、自分が出来るだけの事はしたいです。
でも私でも流石に折れた刀を直すことは出来ません
ごめんなさい…………
でも、これは彼の最期の願い事でもあるんです。
信じることが出来なくなってしまった人間である
私に頼ってまで、彼はそう望んでいます。
私の事は信じなくてもいいです。
でも彼の願いだけは…………どうか』
そう言って女は俺に頭を下げてきた。
…………国広が憑依してなきゃ、
本当なら斬ってやりたいが…………
どうにも彼女が嘘を言ってるようには思えなかった。
嘘を吐く者は、自分から首を
差し出すような事するのか？
だが…………達の悪い演技かもしれない。
人間は嘘を吐く生き物だから。
どうする？信じるか…………信じないか。
『…………彼の意識はもう永く私の中で
留まるのも難しくなってます。
今じゃなくてもいいので、
どうか自分と向き合って見てください。
出来れば、明日の明朝までに
答えを出してもらいたいです』
和泉「…………」
『失礼します』
ストンと、女は周囲を片付けた後で
部屋から出ていった。
今部屋にいるのは俺だけで、
辺りはやけに静かだった。
和泉「……………国広」
??「和泉守」
和泉「！…………之定」
その時、女と入れ違いに之定が部屋にやって来た。
“こんなに散らかして、雅じゃない”とか
いきなりそんな事を言いながら
之定は俺の前に座る。
歌仙「…………“彼”には会えたかい？」
和泉「！なんっ…………」
歌仙「その様子だと、会ったようだね」
和泉「…………知ってたのかよ」
歌仙「まあね。それはさておき、君に文だ」
和泉「ふ、み…………？誰だ」
歌仙「彼女に憑依した、堀川から」
和泉「ｯ！？」
和泉side〜end〜
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冷泉 雪桜(プロフ) - ブドウ農家の一人っ子さん» 薄桜鬼からすっとんで来てくれてありがとうございます！薄桜鬼の方がネタ切れになって中々進めれる事が出来ませんが、これからもよろしくお願いします！ (2019年8月28日 12時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
ブドウ農家の一人っ子 - 薄桜鬼のほうからとんできて一気読みしました・・・冷泉さんの作品は控えめに言ってどれも神ですね(語彙力の喪失) これからも応援しています！！ (2019年8月27日 20時) (レス) id: 70ec3f117a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2019年8月20日 1時
