†陸佰漆拾玖† 【常春の章】“終” ページ21
･
明石「………調べた所、どうやら覚って妖怪は、
取り憑いた相手の霊力を少しずつ
食らって生きるようで、
長いことおんなじ場所に居憑くと
喰らう霊力足らんくなって、
最終的に取り憑いた相手自身を
食べるらしいんですわ」
愛染「ｸﾞｽｯ………サトリ、主さんを
食べたく、なかったんじゃ……
ねぇか、なぁ………ｸﾞｽｸﾞｽｯ」
蛍丸「だから、何も………
食べないようにしてたみたいで……」
聞くと、サトリ君は彼専用の布団の中で、
最期は消えてしまったようだった。
初めて見た主に、初めて見た人に、
愛されようとしていたのかな。
好きだったから、主を守るために。
自身が消える事を望んだのかも知れない。
愛染君と蛍丸君は、泣いていて………
明石君も少し悲しげに二振りの頭を撫でていた。
サトリ君の、儚くて優しい願いが、
僕らの心に残るもので。
『………そう』
蛍丸「主さん……」
『大丈夫。分かってるから』
そう言って、彼女は笑う。
笑って、蛍丸君の頭を撫でる。
君は強い。そして、とても弱い。
サトリ君はそんな彼女に、
幸せになってほしいと、思っていたんだろうな。
目元が赤い。
誰かの為に涙を流す君の心が、
とても温かいもので。
妖怪や、神でさえも…………
例えその身が狙われていても。
君は誰かの為に泣くのだろう。
喜ぶのだろう。怒るのだろう………
──────────────────
『燭台切様、ありがとう』
燭台「ん？」
『傍に、居てくれて…………』
燭台「…………僕は、君のものだから」
嬉しかったんだ。君が頼ってくれて。
声を上げて泣いていた主が、
抱き締めていた僕に、身を委ねたのを知っている。
人は、一人では生きていけないものだから、
誰かの傍に居るだけで力になれるらしい。
なら僕は、君の隣に居たいよ。
ずっと、こうして…………君と一緒に。
ブワッと、桜が舞った。
あーあ、隠していたつもりが………体は素直だな。
好きだよ、主。
君が、好きだ。
燭台「これからも、頼ってほしいな」
追いかける為の、足があれば。
包む為の腕があればと、
物言わぬ刀の時からそう思っていた。
君の為なら、君を守れるなら。
僕は君の刃となる。
永遠の春のような君の為の、刀になりたい。
燭台切side〜end〜
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 537人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冷泉 雪桜(プロフ) - 雨宮@たふるさん» コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮@たふる - いつも楽しく読ませてもらっています。続編おめでとうございます。たまに来る燭さに、にきゅんとしてます！これからも頑張ってください。応援してます。 (2020年3月7日 15時) (レス) id: 3cde28d88e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年3月5日 19時
