†陸佰漆拾肆† ページ16
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燭台「そうだ、貞ちゃん。
さっき小豆君がおやつ作ってくれてね。
まだあるから食べてきなよ。
伽羅ちゃんも」
太鼓「お、やったぜー！」
伽羅「俺はいい………」
太鼓「そうか？んじゃ、例の件。
ちゃんとみっちゃんに聞くんだぜ！」
伽羅「…………ﾊｧ」
燭台「？なんだい？」
伽羅「こっちの話だ」
太鼓「じゃあみっちゃん、また後でなー！」
？何だか意味深な事を言って、
貞ちゃんが行ってしまった………
何だったんだろ。
首を傾げながらそんな事思っていると、
伽羅ちゃんが隣に座る。
………珍しい。
燭台「？伽羅ちゃん？どうしたの」
伽羅「………別に。ここが一番風通しがいいからな」
燭台「確かに。サトリ君も寝ちゃったんだよね」
伽羅「もうじき、巣立ちが来るらしいな。
九重が言っていた」
燭台「そうなんだ？
折角本丸に馴染んだのに、寂しくなるね」
伽羅「…………何があった？」
燭台「！何、て？」
伽羅「お前が悩むときは大抵一振りになるからな」
燭台「………」
駄目だなぁ。近頃は随分と
嘘が下手になったみたいだ。
やっぱり伽羅ちゃんにはバレていたみたいだった。
あの感じだと貞ちゃんも、かな。
燭台「…………格好悪いなぁ」
伽羅「今更だな」
燭台「そんなストレートに………！」
伽羅「俺しか見てない。安心しろ」
燭台「えっ………」
伽羅「誰かと話して楽になれる事もある。
……………だから吐け。
悪いが俺は宥め方も、同情の仕方も知らん。
話を聞く事しか出来ないからな」
彼らしい、言葉だと思った。
素っ気なくて、必要以上の馴れ合いを嫌う彼だけど、
本当は優しいのを知っている。
伊達にいた頃から、それは変わらなくて。
彼が纏う空間は……静かで、心が落ち着く。
寄り添う風のようで、凄く心地がいい。
昔から彼には敵う気がしない。
燭台「………怖いんだ」
伽羅「？」
燭台「心が、落ち着かなくなるんだ。
主を………彼女を見ていたら、
知らない感情が込み上げてくる。
得体の知れない感情で…………
知らない“僕”がいる。
ソレが何するか、分からないからとても怖い」
知っている恐怖よりも、
知らない恐怖の方が、よっぽど怖いよ。
人は、こんな乱暴な感情を
抱える事なんてあるのかな。
嫌だな。凄く、気持ちが悪い。
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冷泉 雪桜(プロフ) - 雨宮@たふるさん» コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 18535e1a43 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮@たふる - いつも楽しく読ませてもらっています。続編おめでとうございます。たまに来る燭さに、にきゅんとしてます！これからも頑張ってください。応援してます。 (2020年3月7日 15時) (レス) id: 3cde28d88e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2020年3月5日 19時
