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ウェンディは少し自信のないような、
おどおどした性格のようで。
町中を歩いていた時も、道を聞こうとして
上手く話せなかったりしていた。
見ていて危なかっかしいので、
帰るついでに一緒に彼女達が住んでいるであろう
女子寮の方へと行くことになった。
ウェンディ「ああ、あの、っ!
さっき転んだ時、助けていただいてありがとうございます」
『なぁに、気にするな。
マグノリアは石畳が多いから気をつけるんだよ』
ウェンディ「は、はい」
『まだここに来て数日しか経ってないが、
困ったりした時は周りの子らにちゃんと相談しなよ。
まあ女子寮に居るなら大丈夫だとは思うがな。
俺含めて、皆世話焼きだし。シャルルもだぜ?』
シャルル《………余計なお世話よ》
『おやおや、嫌われてしまったか。
いや悪かったってー、初対面で嗅ぐのは良くなかったな、うん。
ご立派なセコムだこったぁ』
ウェンディ「匂い………そう言えば、えっと………」
『Aだよ』
ウェンディ「Aさん。Aさんに聞きたいことがあって、」
ウェンディはそう言って、買い物した紙袋を持ち直したりし、
落ち着きのない様子で俺に話しかける。
まあ、内容は予想通りのものだろうけど。
ウェンディ「私と同じで、滅竜魔導士、何ですよね?
Aさんも、やっぱり魔法は
『そうだよ』
ウェンディ「!ガジルさんや、ナツさんにも聞きました………
でも、私のお母さん………
グランディーネのことは分からないって。
お二人共、育ててくれた
Aさんも、ですか………?」
『………少し違う。死んだよ』
ウェンディ「………ぇ、」
シャルル《!死んだって、》
『深手を負ってね。助けられなかった』
ウェンディ「そ、れはいつ頃………ぁ、!
ご、ごめんなさい、何でもない、です」
ウェンディはその言葉の先を言おうとして、
失言してしまったと思ったのだろう。
直ぐに口を閉ざして、俺に謝った。
『………いいよいいよ、昔の話だ。
そうだなぁ、いつ頃か。
何分俺自身もそれなりにショックでね。
あんまし覚えてないんだけど、
君らが
………聞きたいのは、それじゃないだろう?』
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2024年3月4日 0時