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俺の言葉に、ギルダーツは目を見開く。
そして、自身の口を抑えた。






ギルダ「………ディオーレって、お前に魔法を教えたやつだろ?
そう、か………奴が………で、そのアクノロギアっつーのは、」


『………ディオーレは、奴に魔力の一部を食われた。
その影響もあって、俺の目の前で死んだ』


ギルダ「一瞬の出来事だった。一瞬で、この有り様よ。
本当、死んだかと思ったぜ………
お前はその黒竜の目的とか知ってんのか?
見た感じは奴は世界中を飛び回ってる感じだったが」


『…………』









俺はその問いに対して答えなかった。
ギルダーツはそんな俺の態度に小首を捻っていたが、
その顔は徐々に驚愕したような表情となる。








ギルダ「………嘘だろ、お前が言ってる目的って、」

『誰かに告げたら、お前とて容赦しない』

ギルダ「阿呆!お前死ぬぞ!!?」

『だったら何だ』

ギルダ「!」


『俺の目的はただ一つ。
それが、俺がここに居る事を許された、唯一………
何人たりとも、俺の目的を邪魔する事は許さん。
例え、妖精の尻尾(フェアリーテイル)であったとしても──』








俺は冷たく吐き捨て、ギルダーツに背を向けた。
これは、俺がやらねばならない。
これが俺の宿命なんだ。絶対に邪魔はさせない。
俺がここに居るのは、皆を守る為。
どんな代償を払おうとも。









『………悪いな、ギルダーツ』









それだけ言って、俺はその場を後にした。



─────────────────────



街に戻ると、街で買い物をしていた
ウェンディとシャルルが居た。
………どうやら、転んで怪我したらしい。
シャルルが呆れていて、ウェンディはやや涙を浮かべていた。








ウェンディ「いったぁ………」

シャルル《しゃんとしなさいよ、仕方ないわね》

ウェンディ「うぅ、ありがとう、シャルル………」






『………【竜の加護(チュトラリー)】』









見てしまったので放ってはおけず、
俺は近づき、ウェンディに手をかざし、魔力を分けた。
傷を治すような回復魔法ではないが、痛みくらいは引くだろう。








ウェンディ「え、………あなたは、」

『大丈夫かい?』

ウェンディ「は、はい!痛くなくなりました!」

『そら良かった。立てるかな?』

ウェンディ「大丈夫ですっ」









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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2024年3月4日 0時

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