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シャルル《やめて…………!ッ、止めなさいよ!!!!!》
エルザ《気に病むな………どうせお前はここで死ぬ》
シャルル《ウェンディを返して!!!!!!!》
ハッピー《ッ、シャルルは、やらせないぞっ!!》
その時、シャルルの前にハッピーが立ちはだかる。
小さな体をめいいっぱい広げ、
シャルルを守ろうとするハッピー。
エルザからして見れば無駄なあがきである。
彼女は顔色一つ変える事無く、自身の槍を構えた。
エルザ《ならば、お前からだ》
無慈悲な槍は真っ直ぐハッピーに向けて振り下ろされた。
その時──
ゴォォォオオオオウッ!!
エルザ《!?!?》
ハッピー《うわぁぁ!?》
ルーシィ「な、なに!?!?」
突如、塔の窓際から突風が吹き荒れた。
その突風はやがて塔の一部を破壊していく。
まるで巨大な竜巻がこの城を襲っているかのような、
凄まじい威力の風が巻き上げたのだ。
ルーシィ達とエルザが率いる小隊の間に
空間を抉ったかのような跡ができた。
??《よお。妖精狩り。よくも俺のダチに向けて………
その槍を振り上げやがったな………》
すると、頭上から殺気立った声が響く。
エルザはその声に聞き覚えがあった。
彼女は頭上を見上げ、砂埃の中から現れた影を睨む。
身の丈程の巨大な翼を広げていたシルエットは、
一度その翼をはためかせると、砂埃を振り払う。
ルーシィ「えっ!?うそ………っ」
ハッピー《ど、どうして!?》
シャルル《あれは、!?》
エルザ《ッ…………貴様ァ………
そこに居たのはA・ディオーレ。
エドラスに置けるAである。
ルーシィ達は始め、はぐれたA本人かと勘違いしたが、
翼の形状が違う事から本人ではないと理解する。
何より、彼から感じるのはAとは違う別の威圧であった。
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2024年3月4日 0時