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ファウスト「この世に神などいない!」








ファウストは全兵士達に告げる。
自分たち人間のみが有限の魔力の中で苦しみ、
エクシード達は無限の魔力を謳歌している。






 

ファウスト「支配され続ける時代は終わりを告げた。
全ては人類の未来の為、豊かな魔法社会を構築する為、
我が兵士達よ!今こそ立ち上がるのだ!!」







エドラスを束ねる王の言葉により、兵士達の士気が上がる。
端から見れば革命。聞こえの良い神に抗う勇者の熱弁である。
エクシードに対して畏まり、怯えるだけの社会を終わらせ、
人間による人間中心の世界を作る。

その言葉は兵士達が奮起させるに十分なものであった。








─────────────────────






その頃。
人間による反乱によって、
混乱する軍の中を掻い潜る事ができたルーシィ達は走る。







ハッピー《大変な事になって来たね》

ルーシィ「まさか人間とエクシードが戦争を始めるなんて!」


シャルル《私たちには関係のない事よ。
どっちもどっちだし………勝手にやってればいいのよ!》


ハッピー《シャルル……》


シャルル《それよりも、ウェンディとナツは
西塔にいるって言ってたわね。行くわよ、二人を助けなきゃ!》








だがその行く手を阻むように、
彼女たちのすぐ前方に一本の槍が飛んできて突き刺さり、
その衝撃で彼女らを吹き飛ばした。

そこに現れたのはエルザ・ナイトウォーカー。
エドラスにおけりエルザが彼女達の行く手を阻む。
妖精狩りと謳われるこの世界のエルザもまた強敵。
最悪な鉢合わせに、ルーシィ達は怯む。


満足に戦う力を奮えない状況下で、
最早抗う手段は残されていない。

目の前に立ちはだかる最強格の武力を有するエルザに
対抗できる者は、今この場に存在しない。







その時、悲鳴が聞こえた。

シャルルにはその悲鳴の主を良く知っていた。








シャルル《ウェンディの、声………近くにいる……っ》

ルーシィ「ッ!あんた達……ウェンディ達に何したの!?」

エルザ《コードETDに必要な魔力を奪っているのだ》










シャルルは自身の鼓動が強く跳ねたのを感じ取る。
何が何でも助けたい人が、
魔力の為だけに悲痛な声を上げ苦しんでいる。


それなのにこの小さな体は何も出来ない。
無力感が彼女を襲う。

動けない。痛い。助けたい。
それでも胸いっぱいにウェンディを助けたい一心で、
彼女は体に鞭を打ち、声を上げた。

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2024年3月4日 0時

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