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自身の子供である王子を捨て、
魔力を持った俺を大事に育てるような王が
いる時点で、この世界は腐ってたんだ。
だから、作った──【超亜空間魔法・アニマ】を。
俺は存在する魔法から、
【新たな魔法】を作り出す力を持っていた。
まあ、アースランドじゃ珍しくも無いだろうが、
魔法を応用する技術がそもそもないこの世界で、
既存する魔法を応用することによって
新たな魔法を創造するのは奇跡にも等しい。
この世界の古よりある魔法、エクシードが扱う
その
新たな魔法を創造する事が出来た俺は、アニマを作ったんだ。
あれは元々、この世界にある
全ての魔法を消す為に生まれたものだった。
「ディオーレ様何を！？」
《王よ！魔法に固執するのは辞めるんだ！！
人は魔法なしだって生きていける！
魔法が無くなるなら、
魔法が無くても生きれるように工夫すればいい！！》
「な、何を言い出すのです！？ディオーレ様！！」
《！その“様”ってのも辞めろよ。
俺はもう嫌だ！俺は神でも何でもない！！
俺は──普通の人間になりたいんだよ！！！
なあ！？そんなに悪いことなのか！？
魔法が無きゃ本当に駄目なのかよ！！
毎日毎日毎日毎日、ヘロヘロになるまで
俺から魔力を吸い上げやがって！！》
アニマを作ったのは、それが世界になる為だと思ったのと、
魔法さえなくなってしまえば、
俺自身も救われると思ったからだ。
ある程度成長した俺から、あいつらは自分達が
贅沢したいがために魔力を吸い上げ始めてた。
表向きには人に崇め祀られる存在だとされ、
裏では俺を道具のように扱って来る奴ら。
その欲の塊の言いなりに、もう成りたくないと思ってた。
だから、魔法具を作る基礎の魔法を作りながらも、
コツコツとアニマを作っていた。
これが俺の希望になる筈だと信じて──
《それでも魔法を手放さないってんなら、
この世界から魔法を消してやる──このアニマで！！》
ただ、奴らは魔法のためなら手段を選ばない連中で。
そのクソみたいな思考やアイデアで
ピカ一の天才を発揮させるんだ。
俺はその奢りと執念を、見抜けなかった──
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2024年3月4日 0時
