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王都。
何とか王都に入ることが出来た。
匂いを頼りにあちこち探し回る。
………色んな匂いが混ざってて判別しにくいし、
また人酔いしそうだ。
それに…………
『裕福な暮らしをしてんだな………王都は』
王都では魔法を無駄に使っているようだった。
魔法でやる必要もないような所で魔法を使っていたりする。
こいつは酷い。これを見るとフィオーレ王国は
いかに豊かで賢い国であるかを思い知らされる。
国がまるでなってない。行政も酷い有り様だ。
ろくでもないな、この世界の王は。
《ろくでも無いだろ？この国の王サマ》
『！(ビックリした。心を読まれたのかと思った)』
《本当、魔法に対する執着が凄まじいよ。愚かな王だ。
もういっそ魔法なんざ手離した方がいいと思う》
『逆に君は魔法に固執しないんだな』
《争いの源そのものだからな、俺の場合。
多くの仲間も犠牲になった………魔法があるからいけねぇんだ。
魔法は人を幸福にしない。
少なくとも、この世界の魔法は》
『…………思ったんだが、君の国に対するクーデターって、
もしかして、魔力を全て消そうとしたのか？』
《！！》
すると、彼は体をこわばらせた。
そして少しの間フルフルと体を震わせ、やがて路地裏に入る。
路地裏に置かれた樽に腰掛け、ようやく彼は口を開いた。
《鋭いな、本当………流石俺ってとこか？
思考も似通ったりするんかねぇ………
嗚呼そうだよ。俺はこの世界から魔法を消し去りたかった。
その為の努力をしてきたんだ。
そのせいで、あんたの仲間も、巻き込んだ》
『？どういう意味だ』
《あんたらが今回巻き込まれたのも、俺のせいなんだよ》
Aside〜end〜
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エドラスA,side
生まれながらに魔力を持った俺。
物心がついた頃には、人々から崇め祀られてた。
国王により拾われてからというもの、
それはそれは大事に大事に育てられた。
しかし、その大事されていた俺は、知っていた。
なぜが気づいていたんだ。
そこに愛情なんてものはねぇんだって。
「おおっ！ディオーレ様！！」
「流石はディオーレ様！」
「なんと素晴らしい力だ！！」
人々は俺を見ない。
彼らが愛しているのは俺が持つ魔力だけ。
反吐が出そうなほど、とても居心地が悪かった。
だから魔法は嫌いだった──
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2024年3月4日 0時
