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王都に向かう中で、
ミストガンからは色々と話す事を省かれて、
訳が分からないままエドラスに送られたであろう
ガジルにも、この世界についての話をしながら、
互いが知ってることを共有する。

ミストガンはどうやらアースランドに残って、
やることを済ませてからこちらに来る、らしい。
あいつが切羽詰まっているのが分かる。
らしくなく詳しい話を省いてガジルを
エドラスに届けるので精一杯だったのかもしれない。








《そのよ、さっきから言ってるミストガン、ミストガンって、
エドラスの住民って事だよな?
アースランドでアニマを封じて回ってたって》


『そーだよ。俺は元々ミストガンが
エドラスの住民ってことは知ってたんだ。
アニマを封じて回って回ってることもな。

今回ばかりはどうしようもなくて、
滅竜魔道士(ドラゴンスレイヤー)のガジルに皆を託したんだろう』


ガジル「ミストガン、いや………ジャラールだったか?
そいつ、エドラスの重鎮だったりすんのか」


『さあね。そこまでは聞いてないな』


《!?ちょっと待て、今ジャラールっつったか!?
あいつ、この国の王子だぞ!?》


『「なにぃ!?!?」』









口滑ったガジルの言葉に、エド俺がギョッとした顔で
とんでもない事言い始めた。
思わずガジルと一緒になってエド俺の方を振り向く。









『重鎮どころの話じゃねぇじゃん!?』

ガジル「得体の知れねぇ奴だと思ったら!!」


『え??………やばいのでは?
俺、今までバチクソに偉そうな事言っちまってたよ??
え?処す??処される俺???』


《そっちの妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士だったんなら
今更じゃねぇのかそれ………大丈夫だと思うぞ多分……》


『そーかも知んないけど、ここあいつの故郷じゃん?
アースランドとは勝手がちげぇじゃん。
ヤバいんじゃね?嗚呼、俺終わるのか………』


ガジル「普段あんたそんな事
気にするような奴じゃねぇだろ………イカれてやがるぜ」






《いやまあ、そっちの事情は知らんが、
ジャラールは王都から追い出された身なんだよ。
一時期匿ってた時があったから知ってるが………

聞くに、元気そうだな。良かったぜ》









エド俺の言葉にハッと我に返る。
危ね。評議会や国王にドチャクソ失礼なことした
過去があるもんだから変に身構えちまった。

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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2024年3月4日 0時

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