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となると、結局王都に行った方が早い、
と言うことだな。
俺はエクスボールを一つ取り出し、匂いを嗅ぐ。
『…………食べたくない』
ｶﾞｼﾞﾙ「文句言うな」
『いや、体質的に食べられるものじゃなさそうなんだけど。
食べたら動けんくなるかも………』
ｶﾞｼﾞﾙ「ああ？」
《でも食わねぇと魔法使えねぇんだろ？》
『好き嫌いの話じゃねーの。体が受けつけないんだ。
匂いからして無理。吐く。
食ったら寧ろマジでお荷物になるわ』
思いも寄らないところでの壁。それは俺の体質だ。
このエクスボール、色んな薬品の成分が混ざってる。
この世界の薬だし………知らん成分があるし。
俺の体質的に、死にはしないが猛毒になる。
つまり、服用すればどうなるかが分からん。
エドラスのどっかにいるウェンディにエクスボールを
飲ませて、状態異常の回復をしてもらう他ないな。
ただ、ウェンディが見つからない以上、かなりの博打………
ううん、悩ましい所だ。
『兎に角だ。体質的にこれを服用すれば、
俺がお荷物になるのは確定だろうよ。
薬は飲まずにガジルに渡しとく』
ｶﾞｼﾞﾙ「ギヒッ、あんたの出る幕でもねぇ。
俺一人でどうにかしてやらぁ」
『頼もしいねぇ。なら
でも、この世界の住民は道具を媒介として魔法を使うなら、
実力はたかが知れてる………
魔法が無くても、この世界の魔法の使い方が知らなくても、
ある程度対処は出来るだろう』
ｶﾞｼﾞﾙ「！………ケッ！」
《？？不服そうだな？》
ｶﾞｼﾞﾙ「(気に食わねぇが………本当にその実力が
あるのを認めざる終えないのが悔しい所だな)」
ガジルが不満気にしていたが、まあいい。
じゃあやることは決まった。
ナツ達とは、はぐれてから少し経ってるし、
多分向こうにはエドラスの情報があるシャルルが居るから、
仲間を助けようと俺達と同じく王都に向かうはず。
『………なら、やっぱり王都に向かう事が最善っぽいな。
ガジル、王都まで一緒に来てくれ。固まった方がいいだろう。
いいか？エド俺』
《いいぜ。ただ、着くまでは魔法を極力使うな。
面倒事には巻き込まれたくないだろ。俺も追われてるし》
『よし。じゃあ行くとしようか』
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作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2024年3月4日 0時
