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騒ぎのある方角に向かう。
するとそこには怯えきってる三下の
よく見るチンピラ。
そしてそのチンピラの胸倉掴んで
脅してるような長い黒髪の──
『………やっぱり君か。ガジル』
ガジル「あ"?って、お前は竜翼!!」
来てみれば案の定、ガジルが居た。
そういや、シャルルが言ってたっけか。
この世界において、竜の力は特殊。
故に同じく
アニマは通用しなかった。よって吸収は免れたようだな。
ひとまずガジルが無事だったことにホッとしつつも、
俺は胸倉掴まれてたチンピラを逃がし、
ガジルに事情を聞く。
─────────────────────
ガジル「…………」
《…………》
ガジル「マジで同じ顔だな。
こっちは女にしか見えねぇのが不思議だ」
《女顔なの気にしてんだ。止めろよ》
『へぇ、なるほどなぁ、これがエクスボール……』
カランと、瓶に入ったピンク色のビー玉みたいな薬を
瓶を転がしながらマジマジと見る俺。
こちらの世界に来る手段が無いはずのガジルが
何故エドラスに来れたのか話を聞くと、
どうやらミストガンがガジルをエドラスに送ったようだ。
同じ理由でルーシィもミストガンに送られたのかもしれない。
何でも、このエクスボールを飲むことで、
魔法を使えるようになるのだとかどうとか。
『ふーん。で、ガジルはミストガンに何を言われたんだ?』
ガジル「アニマとやらでギルドが吸収された後、
奴が現れてにそのエクスボールを渡された。
ギルドの連中を救えだと。
この世界じゃ
だから滅竜魔法で
もとに戻るって話だ」
『ははぁーん、それであちこち暴れて
片っ端から
《破壊の通り魔かよ……》
『エド俺。近くに巨大な
そういう情報知らないか?』
《そのあたりの情報は詳しくは分からんけど、
そういや王がなんか言ってたっけか。ニュースでやってた。
まあどっちにしたって、あっても恐らく王都近くだろうな。
王都に近づくほど奴らは贅沢三昧して、
俺達民草には僅かな魔力供給しかねぇくらいだし》
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2024年3月4日 0時