182Page ページ3
･
ﾅﾂ「来たーっ！！」
ﾊｯﾋﾟｰ《あい！！》
ギルドに繋がる一本道をゆっくりと歩いてくる人影を見つけ、
ナツが喜びを露わにして声をあげていた。
それに続き、全員がその男の帰還を待つ。
長い一本道を歩き終わり、その人影は開かれた
ギルドの門扉を潜り抜ける。
ｷﾞﾙﾀﾞ「………ふう………」
ﾅﾂ「ギルダーツ！オレと勝負しろォ！！」
ｴﾙﾌ「いきなりソレかよ！？」
ﾐﾗ「おかえりなさい」
ｷﾞﾙﾀﾞ「お嬢さん。確かこの辺りに
ﾐﾗ「ここよ。それに私、ミラジェーン」
ｷﾞﾙﾀﾞ「………ミラ？
…………おお？！随分変わったなァお前！！
つか、ギルド新しくなったのかよー！！」
ﾙｰｼｨ「外観じゃ気付かないんだ……」
『よぉ、ギルダーツ。3年で更に老けたなぁ』
ｷﾞﾙﾀﾞ「！Aー！久しぶりだな！後、老けたは余計だ」
新人達の反応と、ギルダーツがギルドだと
気づいたタイミングで、
俺はいつも通りにギルダーツに声を掛ける。
ギルダーツはそんな俺に対していつも通り、
気さくに話しかけてきた。
………が、思わず俺は顔をしかめた。
血と、薬品の匂いだ。
脈の音からしても、貧血なのが分かった。
俺が顔をしかめたのが分かったのか、
ギルダーツは“言うな”と言わんばかりにはにかみ、
サッとマントを翻して、俺に背を向ける。
ﾅﾂ「ギルダーツ！！」
ｷﾞﾙﾀﾞ「おおっ！ナツか！久しぶりだなァ」
ﾅﾂ「オレと勝負しろって、言ってんだろーー！！！」
ｷﾞﾙﾀﾞ「また今度な」
ﾅﾂ「ぐもぉ！？」
ナツがギルダーツに挑むが、瞬殺される光景を見るに、
かなり回復はしたのだろう。
じゃなきゃ、特に五感がいいナツが
ギルダーツの容態に気づかないわけがない。
………後で話を聞いたほうが良さそうだ。
─────────────────────
その後に聞いたのは、100年クエストの失敗。
深傷を負っている事を察していた俺は、予想の範囲内だった。
マントで上手いこと隠されたが、
かなりの深傷を負ったのは分かっていたが、
それでもよく生きて帰ったものだ。
“疲れたから帰る”と命も左右される超難度のクエストから
戻ってきたとは思えない、
気の抜けた声を出しながらギルダーツは歩き出す。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：冷泉 雪桜
| 作成日時：2024年3月4日 0時
