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随分と穏やかではないその言葉に、
ウェンディとナツ、ハッピーは言葉を失っていた。
『………いいだろう』
ウェンディ「!!Aさん!?」
『俺はギルド、家族の味方だ。その時に応じて行動する。
ただ、俺はシャルルの事も家族、仲間だと思ってる。
俺はあくまでも今のシャルルの言葉を尊重して承諾している。
何もなければそれで良し。それでいいじゃないか。
俺だって無闇に仲間に手を挙げるような事はせんよ。
万が一って話なだけだ』
俺の意見に、渋々と言った様子ではあったが、
一度は承諾したようで、ウェンディは小さく頷いた。
それを肯定と捉えたシャルルは
背に翼を展開させ、ウェンディを掴む。
それに続いてハッピーもナツを掴んだ。
シャルル《Aは飛べたわね?貴方も着いてきて》
『ほいほい。よっ、と』
シャルルに従い、俺も翼を展開させて続く。
ウェンディ「飛んでいくの!?」
シャルル《私たちの翼は、エドラスに帰るための翼なのよっ》
ナツ「行こうぜハッピー!お前の故郷だ!!」
ハッピー《………あい!》
シャルル《アニマの残痕からエドラスに入れるわ!
私たちの
彼らに続き、俺は翼をはためかせ、徐々にスピードを上げる。
ぐんぐんと空を突き抜けていき、
そしてシャルルが魔力を開放するのを察した。
シャルルはハッピーに魔力を開放するよう促し、
更にスピードを上げて上昇する。
一気に限界のスピードへと至った二匹。
かなりの速度だ。ハッピーの例は見たことあったが、
俺が予想していたエクシードのスピードよりも、早い。
俺もそんな二匹のスピードを見て、
離れない程度まで同じくスピードを上げる。
そして、シャルルの合図とともに、
空に空いた穴に向かって突っ切った。
その時、眩い光によって俺達の視界は一度真っ白になる。
光に包まれながらも、穴から湧き出してきた
光の通路をくぐっていく。
目も開けてられない光が収束し、
状況を確かめるべく、俺は目を開けた。
そこに広がる光景に、思わず息を呑む。
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2024年3月4日 0時