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シャルル《(私達の一族についても、私達に与えられた
使命以外除いて、生態まで知っているようだわ………
本当に何者なのよ。
確かに、魔法や歴史に関して博識だと聞いていた。
でもこれはあまりにも………)》
シャルルはAを警戒しつつも、
自分やハッピーが抱えている使命。
その使命をエドラスの王国から与えられて
この世界に送り込まれたことを話す。
ハッピーやシャルルは、ナツ、ウェンディが
それぞれ卵を見つけ、育てて孵化させたことで出会った。
エドラスから使命を与えられ送り込まれるというのは、
本来ならあり得ない話である。
ナツとウェンディは自身が見つけた彼らの卵を見つけた
思い出を確かめるように告げる。
シャルルもそれは承知している。
シャルル自身とて、その身で自分を送り込んだ
世界に行って使命を貰ったわけではない。
しかし彼女が言うには
生まれた時から備わっている、というのだ。
エドラスに関する知識を、自分に課せられた使命を、
卵から生まれた時から、それを全部知っているはず。
それがシャルル達のような種族だと。
シャルル《なのに………あんたは何で何も知らないの!?》
『………ふぅん。成る程。
それで君はハッピーに当たってたって訳か』
シャルル《部外者は黙ってなさいよ》
『まあそうカリカリするなって。
んで?その使命ってのは──』
シャルル《っ、》
『………言えなさそうだな。まあ聞かんよ。
ハッピー。君も色々と思うことはあるだろうが、
今はそんなのどうでもいい。
物凄い使命があっても、君はギルドが好きだろう?
ナツや皆が大好きなんだろう』
ハッピー《…………うん》
『そうだろ?シャルルもウェンディが好きで、
でも辛くて言えないだけかも知れない。
じゃあそれは後回しでもいいだろう』
Aは視線が合うようにしゃがみ、
ハッピーに語りかければ、ハッピーは戸惑いながらも頷く。
それを確認したAは笑ってハッピーの頭を撫で、
しゃがんだままにシャルルに向き直る。
『話したって事は、その使命を放っても、
君はウェンディを守りたいって思ったからなんだろ?』
シャルル《!》
『なら今は聞かないでおこう。話せる時でいいさ。
………じゃあナツ。やる気満々だな君』
ナツ「ニッ………おうよ!!おーっし!
んじゃ、話もまとまった事だし、
いっちょ行くか?エドラスってトコ!」
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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2024年3月4日 0時