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夢だと言うのは分かっていた。

目覚めた俺は、ベットから起き上がり、外を見る。
空は白んで来ており、夜明けが近いのが分かる。


昔の話だ。
幾らディオーレの事を思っても、思い出でしかないし。
彼が還ってくるって訳でもない。
本当、こう考えるとディオーレの存在は
デカかったんだなと思った。







『………仕事行くか』







指名クエストのクエスト内容が書かれた書類を持って、
最小限の荷物を持った後、俺は朝早くから出かける。

忘れられたらどれだけ楽だろうかと、何度も思ったが、
忘れてはいけないのだ。
本当のディオーレを知ってるのは俺だけだ。
神話や伝説に語られるディオーレじゃない、
本当の彼を知る俺は、忘れる事は出来ない。

彼との思い出は、俺だけのものだから。


でも、気をつけないとな。
過去は過去だ。思い出すと辛くなる。
あまり思い出さないようにしないと。










『んじゃ、仕事行ってきますかぁ。いってきます』











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作者名:冷泉 雪桜 | 作成日時:2024年3月4日 0時

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