【刀剣乱舞】その神、縁を知る者

†伍佰捌拾漆† ページ8

にっかりside








??「ﾊｯ………相変わらずだナ、お前」

青江《盗み聞きは良くないんじゃないかな》








九重君が去ったタイミングを測るように、
僕に声をかける影が一つ。

彼とは腐れ縁だけど、まさかこんな所で
出会うとは思わなかったな。
僕が振り替えると、彼は以前と
大して変わらない姿をしていた。









青江《やあ、京極。元気にしてたかい？》


京極「お陰様でナ。会うのは京極家以来、カ。
現代で言えば………あー、大体370年ぶりくらいか？」


青江《そうだね。と言っても君は
他のにっかり青江と交流があったんじゃないかい？》


京極「まあな」









京極はストンッと僕の目の前に
身軽に舞い降りてきた。

すると姿が青年の姿から少年の姿へと変わる。









青江《おや？随分と大きかったと思ったら。
………身長の事だよ？》


京極「その回りくどい言い方は
どのにっかりも同じなんだナ。安心したヨ」


青江《君も相変わらずのようだね》


京極「………で、話を聞いたんだろ？
面倒くせぇ事になったからナ。
悪霊退治ならあんたが一番得策だ。手伝え」


青江《生憎、僕はここから動けなくてね》


京極「見え透いた嘘吐くんじゃねぇヨ。
“動こうと思えば動ける”だろうが。
あんたが、ただそうしないだけダ」









その言葉に、僕は少し体を強ばらせた。
嗚呼なんだ………気づかれてたのか。

ふぅと一息入れて、僕は京極と向き直る。









青江《気づいていたなら、
どうして今までこうして声をかけなかったんだい？

君を前からこの祭壇から何度か見かけていた。
てっきり今まで僕が見えてないと
思っていたんだけどね》


京極「面倒くせぇからダ。
生憎俺は仕事をちゃんとやるお利口ちゃんだから、
仕事は私情とか挟まない主義何だ。

迷子を構ってる余裕なんざねぇヨ」


青江《迷子、ね》


京極「あんた、かれこれ50年前からここに居ただろ。
もういい加減に主を待つのを止めたらどうだ。
お前の主はとっくにあの世行きだろ。

人間、そう長くは生きたりしない。
それはお前も分かってる筈ダ、にっかり」









･

†伍佰捌拾捌† “誰かと星を見に”→←†伍佰捌拾陸†

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す