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「"愛"だよ!生まれてから死ぬまで親は子供に愛を注がなくちゃいけねぇ。それなのにお前らときたら…テメェの家も祖先も家族も、正気じゃねェ!!」
「うるさい!!部外者如きが家のしきたりに口を出すんじゃない!!最近何か書いていると思ったらこんな野蛮な男と関係を持ってたのか?知らない男まで誑かして、心まで醜女だ!」
「黙れェ!!!」
男はビクリと身体を跳ねさせた。
「アイツは醜女じゃねェ!
どこまでも優しく、強かな奴だ!
…部外者、と言ったなァ?
古くからここに住まっていたデカブツを、ここの家の鬼を殺したのは俺だ。
既に俺は部外者じゃねぇ。
お前にアイツを渡したら今度こそアイツがどうなるか分からん、アイツは俺が貰う」
「?!何を、ふざけるな!アレは俺のものだ、お前なんかには」
「心まで醜女、穀潰し。
それから…殺してやる、だったかァ?
そんなこと抜かす男の元に戻してやるつもりはねぇよォ」
「俺はアレの父親だ!」
「愛の一遍も注いだことの無いくせに、よくもまあそんなことが言えたなァ」
「ッそんなにアレが欲しいならくれてやる!
だがそれなら金を寄越せ。
そうだなあ、100万ほどここに今すぐ持ってこい!
でなければ…」
「そんなもん」
くれてやるよ、このクソ野郎
懐から札束をだすと、上へと投げて部屋にばらまいた。
ハラハラと落ちる金を、血に汚れぬようにと男は必死になって掻き集める。
アイツの価値を金で売り買いできると思っている時点で、この男はもうダメだ。
鬼の力もなくなった、この家は破滅の一途を辿るだろう。
「お前のような父親を持ったアイツを心の底から不憫に思うぜ…じゃあな、この
屋敷を出て蝶屋敷へと向かう途中、胡蝶の鴉から言伝が届いた。
酷い怪我でとても衰弱している、正直いつ死んでもおかしくない。だが、
本人の生きたいという気持ちの強さになんとか一命を取り留めることができた、と。
あぁ、本当に…本当によかった。
なァ、随分と時間がかかってしまったけど。
ようやく願いが叶うから。
だからさ、今度こそ。
アンタの名前を、教えてくれ。
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メロンパン - 完結おめでとうございます!めっちゃラスト良かったです!お疲れ様です。(*`・ω・)ゞ (2020年2月22日 14時) (レス) id: 783d8186db (このIDを非表示/違反報告)
智真(プロフ) - こんにちは!夢主さんの優しさと不死川さんの優しさが相乗効果してめちゃくちゃ優しいお話で、読んでてとても幸せな気持ちになりました!!これから2人が幸せに暮らしてくれるといいなあ、と、とても思いました(^^)素敵なお話ありがとうございました(о´∀`о) (2020年2月20日 7時) (レス) id: 809fa61cec (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - 桃缶さん» コメントありがとうございます!き、綺麗な文章にかけていましたか!!??初めて言われました、とてもとても嬉しいです…!ありがとうございます!これからも精進してまいりますので、何卒よろしくお願いします! (2020年2月17日 20時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
桃缶(プロフ) - 普通に泣きかけて、ビビっちゃいました(笑) 綺麗な文章ですね!文から趣を感じれるなんて久しぶりですこれからも応援してます!! (2020年2月15日 20時) (レス) id: 0e3ac9e584 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ(プロフ) - fmika2918さん» 暖かなコメントありがとうございます。今流行りのドロドロ恋愛は書けませんが、とにかく純愛をと意識して書いておりますゆえ、美しいと言っていただけてとても嬉しいです。次回作も頑張ります!ぜひ、見ていってくださいませ。 (2020年2月13日 7時) (レス) id: 8446f3cd09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナ | 作成日時:2020年1月25日 9時