拝啓、傷だらけの君へ【鬼滅の刃】

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読みながら息が詰まって苦しかった。





どんな気持ちでこいつはこれを書いた？





辛い？



苦しい？



悲しい？





そんな在り来りな言葉で言い表せるようなもんじゃないだろう。




たった18の少女がとても抱えきれない程の想いを胸にきっとこれを書いたのだ。





彼女は優しく、儚く、そしてどこまでも…強かだった。





視界が滲んで、涙の染みが増えていく。






汚れてしまう、止めなければ、と思う程涙は止まらなくて。






どうして気づいてやれなかったんだろう、と自分を責めた。






そんなもの意味が無いと分かっていても、責めずにはいられなかった。






俺は結局、何も変わっちゃいなかったのだ。






「離せ！！誰だ貴様らは、大鬼様はどこに行かれたのだ！！」






外から男の怒鳴り散らす声が聞こえる。






隠が必死になだめているようだが、男の声はどんどん近づいてきて、ついに俺のいる部屋を開けた。







「なんだこれは…！大鬼様は？！あの醜女は！皆どこへ行ったのだ？！？！」






おい貴様！男はそう言って俺の胸ぐらを掴んだ。





顔を真っ赤にして怒るこいつは以下にも小物だ。






悪いが今俺はそれどころじゃねぇんだ。





俺は、俺は…







「お前が大鬼様を殺したのか！
くそ、お前のせいで俺の家は台無しだ！
あぁ、大鬼様の力が無ければ平井家は滅びてしまう…
あいつめ、死ぬために産まれてきたくせに…己の責務も果たせず逃げおって、あの役立たずめが！！！」





…何？役立たずだと？




この男、いまなんと言った？





「何不自由なく育ててやって、女中だって付けてやった。
何でも与えた！！だというのに、逃げただと？穀潰しもいい所だ！！おい！お前！あの馬鹿をどこへやった！なんと腹立たしい、殺してやる！」




「お前、今殺すと言ったか」





「あぁ、当たり前だ！なんのために育ててやったとおもって───────」





思わず男の手を振り払い、今度は俺が男の胸ぐらを掴む。





なんだその言い草は。





「お前はアイツをなんだと思ってやがる！！
テメェの娘だろうがァ！！
自分の娘を、家族を鬼に食わせる気で育ててたのか？
何でも与えた？
ふざけたこと抜かしてんじゃねぇ、子供が1番親から貰わなけりゃいけねぇもんを与えてねぇだろうが！！！」




「なっ、何を言って、」

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