【ハイキュー!! 】能ある鷹は爪を隠す＿ 01【男主】 (ページ27)

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第９話：一段落 ( 1 / 2 ) ページ27

「…ああは言ったけど、ぶっちゃけレシーブは一年だけの課題じゃない。俺達全員が強化しないと不味い部分では有るんだよな」

「だよなあ、俺も得意って訳じゃねえし」

「バレーは落としたら負け、逆に落とさなければ、負けない(・・・・)スポーツ。今は大地さんって言う大黒柱つーか、精神的支柱…つまり土台が有るから俺達も気持ち良く攻撃が出来る訳だけど…」

インターハイや春高と…勝つ気で居るからこそ、そんなに直ぐの事とは思ってない。けれど、ふとした時に感じる〝澤村大地〟と言う大きな存在。

それが無くなってしまう事が有るかもしれない。少し前に考えてしまった時…足元から崩れて行く様な気がして。( だからこそ、自分達の足で立てるようにならなきゃ行けないんだけど )

「Aって俺達が考えてるよりも、沢山の事を考えてんだな」

「今の三年と違って、一年や二年には単細胞が多いからな。誰かが考えなきゃ行けねえだろ。つっても俺もずっと考えてる訳じゃ無いぞ、そんなん疲れるし」

「色々と正論だけど辛辣！！」

「一々大声出すな、煩ェ。 ── にしてもさ、話変わんだけど…月島って何処かで聞いた事有るんだよあ」

「え、マジで？」

田中の声に顔を顰めてからぽつりと続けた言葉に、驚いたように目を見開く彼に、多分だけどなと前置きして続ける。

「深くは思い出せねえから、兄貴関係って考える方が早いけど」

「隼斗(はやと)さんな～、有り得そう。あの人も顔広いからなー」

「その自由奔放過ぎる兄貴のお陰で？俺は知らない人達にも絡まれて苦労してる訳ですけど？？」

「オ、オゥ…お疲れ」

3か4か忘れたがそれくらい離れた兄の話をすれば、真顔怖いからヤメレと苦笑い気味の田中が口にする。田中の姉・冴子さんとは同い年で高校時代は同級生、その経由で兄貴と会った事が有るらしかった。

「つーか、隼斗さんって今何処に居んの？」

「あー何処だったっけ。馬鹿みたいなテンションのメール送って来たけど…あー、確かエッフェル塔の写真添付されてたから其処じゃね」

「馬鹿みたいなテンションって酷ェな。エッフェル塔って…………イタリア？」

「馬鹿か、フランスのパリだろ」

「馬鹿馬鹿言い過ぎだろ、お前……！！………でも、パリってお洒落だな！」

「メール送って来るくらいなら、お土産送れって感じ」

確かに写真より何か貰える方が嬉しいと田中が頷く。( あ、貰えると言えば… )

「賭けは悲しいけど、俺の勝ちな」

「アッ」

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