不安がいっぱい ページ1
生放送を終えて、20代が終わった余韻、30代になった不安、そんなものを抱えながらベッドに横になっていた。
リスナーが描いてくれた絵の数々、言葉のひとつひとつを見ていた。
本当にやっててよかった、そう思う反面
このままやっててもいいのか、この先に何があるのかという不安がどうしても消えなかった。
今ある場所を手放したくはない。
でも、もし手放さずにいていつの間にか消えていたら。
そう考えると怖くなる。
「俺、この先どうするべきかな…。」
言葉はむなしく消えていった。
不安がまた募る。
もう、誰かの声が聞きたい。
それを狙ったかのように、俺のスマホは震えた。
「もしもし」
「あ、コジコジ?お誕生日おめでとう。」
電話の相手はアブさんだった。
本当に、俺のことをわかってるんだから。
「ありがとう。」と返すとアブさんは少し声のトーンを下げて不安そうに「大丈夫?」と返した。
「不安?30代。」
「え。……そうだね。不安、かな。」
「コジマ店員。」
突然不安か聞かれ、答えたら名前を呼ばれ
もう理由がわかんないよアブさん!!!
「…アブさん?」
突然、呼び鈴がなった。
「あ、ちょっとミュートにするよ?」
そう告げて、俺は玄関を開けた。
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作者名:水無月咲夜 | 作成日時:2016年8月21日 16時