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「……斎藤、一...?」
斎藤一と名乗った少年の背中にも黒のランドセル。彼もまた少女と同じ高学年のような背格好だった。
「あんたが泣いていたから気になった。もしよければ話してくれ。少しは楽になるかもしれない」
「え…と」
戸惑うのも当然だった。
「聞いて…くれる……?」
自分の学校で見たことのない顔だった。全くの見知らぬ人。
でも彼女は話してみようという気になった。
違う学校の生徒だということもあったのかもしれないが、少年が浮かべる優しい笑顔に不思議と心が解されていたのだった。
少年が隣に座ると、少女は話し始めた。
「私、すごく大切な友達がいるの。親友だとまで思った。……でもね、違った」
ポタリと、握った手の甲に雫が落ちる。
「その子にはずっと前から好きな人がいて、今度告白するって言ってたから私、心から応援してたんだ」
1つ、2つ、と小さな涙の海が増えていく。
「応援、してたんだけど……そしたら………嫌われちゃった」
「…何故?」
「わからない……。
今日こそ告白できるよ、頑張ってね…ってバイバイした次の日にはもう…………
“この裏切り者!”
……だってさ」
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咲弥(プロフ) - この作品面白すぎるんで、早く続きが見たいです!待ってます!!!! (2021年8月22日 1時) (レス) id: 7ba3ab4f3e (このIDを非表示/違反報告)
青椿(プロフ) - 初めまして!青椿です。小説、読ませて頂きました。面白かったです!続きが、楽しみです!更新、無理しない程度に頑張ってください! (2017年7月16日 12時) (レス) id: 3c821da097 (このIDを非表示/違反報告)
ruka777(プロフ) - そう言って頂けるととても嬉しいです(*^ω^*)これからも楽しみにしています! (2016年12月29日 2時) (レス) id: 374598d890 (このIDを非表示/違反報告)
優生(プロフ) - ruka777さん» コメントありがとうございます!直接応援のお言葉を頂ける機会はなかなかないのでとても嬉しかったです! (2016年12月29日 2時) (レス) id: 4ab937d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
ruka777(プロフ) - 更新頑張ってください(*≧∀≦*)応援してます! (2016年12月23日 10時) (レス) id: 374598d890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鳴宮 汀 | 作成日時:2016年5月8日 1時