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moment〜1 ページ47

『続いて使徒迎撃作戦大綱について。

WILLE特務殲滅捜査部長、加賀君。』





「はい」





密室の中、会議は展開される。






窓一つない、真っ白な、無機質な部屋の中、私たちは閉じ込められている。






「続いて迎撃予定の使徒は明後日、一○時ニ五分に地点K4-L9に到達予定となっています。

精密な情報は未だ不十分ですが、手元にある限りの情報でプランを立てました。」





パソコンのエンターキーを押す乾いた音が響き渡った。






「パターン青 、典型的な使徒です。

縦およそ80メートル、横およそ100メートル。

10年前の第十使徒と酷似していることから、あの時の作戦を元にシミュレートしてみました。」





画面上では忙しく読み込みの砂時計。




やっとのことで開いた10年前の映像に、レーザーポインターを当てる。






「現在使用可能な機体は、正規実用型改2号機γと正規実用型八号機β。

10年前は零号機、初号機、2号機の三機でしたから、あの時のようにはできないでしょう。

使徒を抑えるには、エヴァニ機分の力が最低限必要です。

そこでです。」




また画面を切り替える。





「このAAAヴンダーを一度、利用してみては如何かと思うのです。」





ぶわっとどよめきが広がる。




当然だ。



そんなこと、誰からも忘れられていたのだ。




「多少無理はあるかもしれません。

ですが本艦には戦う能力が備わっています。

何時までも使わずにいいては、宝の持ち腐れでしょう」





一向にどよめきは収まらない。





「簡単に説明いたしますと、はじめにヴンダーを降下予測地点に配置します。

正確さの向上のため、本日より明後日まで、落下予測を更新し続けます。

そして、降下地点でエヴァニ機が待機。
使徒を下から押さえます。

そこに、ヴンダーの主力砲でコアを狙う、というものです。」





お偉いさん方はしかめ面。





大層納得いかないようで、頬杖をついては貧乏ゆすりをする始末。





その中の一人が、資料を見ながら、言った。





「勝算はあるのかね?」




「ええ、あります。」




「根拠は?」




「ヴンダーは、一度世界を滅ぼしかけた初号機を取り込んでいるんです。
それなりの力を持っていると考えるのも苦ではないでしょう?」





「失敗したら?」





「その時は私がエヴァで応戦します」





円に並べられた机の反対側、葛城大佐はバカな、とでも言いたいような表情だった。

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下弦 - いえいえ、コメント見てくださりありがとうございます。これからも応援しています!! (2015年11月18日 16時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)
紅坂紅子(プロフ) - 下弦さん» コメント有難うございます。こちらのミスでした。修正しましたのでよろしくお願いします。 (2015年11月17日 22時) (レス) id: 9397b1a88e (このIDを非表示/違反報告)
下弦 - すみません、初コメです。私の方がバグっていたら申し訳ないんですけど、28ち29が同じ話になってるんです。少し不安になって。長文失礼しました。これからも頑張ってください。 (2015年11月17日 21時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)
暗部の桜(プロフ) - とても面白いです。続き待ってます (2015年8月31日 21時) (レス) id: 3141487925 (このIDを非表示/違反報告)
- もうこの作品大好きです!!ニコニコしながら読ませていただいてます! (2014年9月14日 10時) (レス) id: 0c3a8a5087 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅坂紅子 | 作成日時:2013年6月12日 21時

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