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passion〜20 ページ33

「悪いわね。こんなところに呼び出したりして。

でも、誰かに聞かれるとまずいから。

私はあなたを信用してここに連れてきたの」




「そう」




吹き抜ける潮風。




少しだけ沈黙が続く。




「…この間、潜入捜査に行ったでしょ?

その時に、私は向こうである人に会った」




「ある人?」




「6年前、私たちの学年に1人、転校生が来たでしょう?」




「そうね」




「その人…渚カヲルと私は実を言うと恋愛関係にあったの」




アスカは目を見開く。




「その時は中学生だったけれど、お互い愛し合っていた。

6年経ってまた会うことで、私たちがあの時愛し合ってた事は本当なんだってまた気づいた。

今は、彼を本気で愛してる。」




アスカは何も言わず話に耳を傾け続ける。




「それでその時、私たちは結ばれたの。

結果現在、私のお腹には子供がいる。」




「…」




「無事に生まれてくるよりも、それよりも先に私が死ぬ確率の方が高いそうよ。

でも絶対に下ろすわけにはいかない。

だから仕事も休んだほうがいいかと思って。」




「そう」




「どんなことがあっても、この海の向こう、第三新東京市跡にいるあの人の…

私の生きた証を見失わないように。

この世界の終わり、ゼロの決起点をこの子に見届けてほしいから。

死にゆく私の代わりに。」






「…」






「私が言いたかった本当がこれ。

長い間ご静聴ありがとう。

じゃあね」




そう言って私は外から中に戻った。




一方その時、アスカはAから告げられた重大な真実に動揺を隠せないでいた。

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下弦 - いえいえ、コメント見てくださりありがとうございます。これからも応援しています!! (2015年11月18日 16時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)
紅坂紅子(プロフ) - 下弦さん» コメント有難うございます。こちらのミスでした。修正しましたのでよろしくお願いします。 (2015年11月17日 22時) (レス) id: 9397b1a88e (このIDを非表示/違反報告)
下弦 - すみません、初コメです。私の方がバグっていたら申し訳ないんですけど、28ち29が同じ話になってるんです。少し不安になって。長文失礼しました。これからも頑張ってください。 (2015年11月17日 21時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)
暗部の桜(プロフ) - とても面白いです。続き待ってます (2015年8月31日 21時) (レス) id: 3141487925 (このIDを非表示/違反報告)
- もうこの作品大好きです!!ニコニコしながら読ませていただいてます! (2014年9月14日 10時) (レス) id: 0c3a8a5087 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅坂紅子 | 作成日時:2013年6月12日 21時

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