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passion〜15 ページ28

裸の体を起こし、下着を身につけ、シャツを羽織る。




乱れた髪を一つに結び、ベッドの側にある洗面台の鏡に向かう。




きれいに手入れされたその鏡の前で、私は思った。




_____私はきれいだったかな。

私は6年前と変わっていなかったかな。

やっぱりこの体は朽ちていっているんだろうな。

、と。





永遠に歳をとらず、永遠に死なない。




そんな浅はかな願いをいつの間にかしているようになっているんだと考えると、馬鹿馬鹿しくてたまらなかった。




ああ、私はなんて醜く…




「愚かなの」




小さく呟いた。




小さなテーブルの上、置いてあるメモ紙とペン。




その紙には、こう書いた。




『本当にありがとうございました。

ずっとここにいたいのは山々なのですが、今朝のうちにあちらに戻らねばなりません。

近いうちに必ず、またここに来ます。

だから絶対、ここからいなくならないでください。

愛しています。



かしこ

A.Kaga』




彼の顔を見ずにここを去るのは辛い。



でもそうするのが1番いい方法なのではないかと思った。




そっとベッドに近寄り、スヤスヤと気持ちよさそうに眠る彼の頬にもう一度、別れの気持ちを込めたキスをした。




彼は寝返りを打ったものの、私の存在には気づいていないようだった。




それでいい。



気が楽になる。



そして、絶対にまた会えるから。




強く信じて、ドアを引いた。



「さよなら。私の愛しい人。」




.




.



.



私が過ごしたこの一夜が、後の人生を大きく揺るがすものだとは私が知る由もなかった。

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下弦 - いえいえ、コメント見てくださりありがとうございます。これからも応援しています!! (2015年11月18日 16時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)
紅坂紅子(プロフ) - 下弦さん» コメント有難うございます。こちらのミスでした。修正しましたのでよろしくお願いします。 (2015年11月17日 22時) (レス) id: 9397b1a88e (このIDを非表示/違反報告)
下弦 - すみません、初コメです。私の方がバグっていたら申し訳ないんですけど、28ち29が同じ話になってるんです。少し不安になって。長文失礼しました。これからも頑張ってください。 (2015年11月17日 21時) (レス) id: e33d5cb0ec (このIDを非表示/違反報告)
暗部の桜(プロフ) - とても面白いです。続き待ってます (2015年8月31日 21時) (レス) id: 3141487925 (このIDを非表示/違反報告)
- もうこの作品大好きです!!ニコニコしながら読ませていただいてます! (2014年9月14日 10時) (レス) id: 0c3a8a5087 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅坂紅子 | 作成日時:2013年6月12日 21時

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