検索窓
今日:29 hit、昨日:2 hit、合計:30,732 hit

四十六話 ページ48

貴女『んぅ…』
 




どれくらい気を失っていたのだろうか。




Aは重い体を起こしてみると、そこは先程のよ

うな薄暗い牢ではなく、上位貴族が住むような煌びや

かとした部屋。障子も立派で金箔が散りばめられてい

る。




貴女『なに、ここ…』



自分は綺麗に整えられた布団に寝かされ、先程蘭童に

斬撃をいれられてできた傷もすっかり塞がっていた。

女性なら誰しも喜ぶであろう上質な室内に見惚れてし

まい、我に帰ったAは首を横に振る。



__逃げなきゃ




Aは布団から立ち上がり部屋の出口へ向かおう

とするが、




貴女『っ!いった…』



歩こうとした瞬間身体中に電気が走るような感覚を覚

えた。きっとあの後赤兎と灯馬に好き勝手されたのだ

ろう。おそらく血も多く吸われたらしく、手足の指先

は氷のように冷たく震えている。

体にもなかなか力が入らない。

血を吸われたと思われる箇所は青黒い痣になってしま

っている。



Aは壁を伝いながらおぼつかない足取りで出口

の方へ歩き出す。


やっとのことで、Aは襖の前までたどり着き

手をかけようとしたその時であった_




______スッ









襖が何者かによって開けられた。







「なにしてんだよ、」





貴女『っ!』

四十七話→←四十五話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.9/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
62人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:永舞 | 作成日時:2020年12月31日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。