愛する者よ (ページ34)

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三十二話ページ34

新撰組幹部はこの前の事件について話し合っていた。

土方『それで、あのときAを襲った奴のことだ
　が、山崎。何か情報はあったか？』

山崎『はい。町で調査をしてみたところ、あの男の名
　前は蘭童黒疾。Aさんと同じ鬼の者だそ
　うです。』

総司『蘭童、、そんな奴僕初めて聞いたなー』

新八『でもよ、なんでAちゃんを狙うんだ？』

平助『そうだよ！Aにはもう相手がいるんだぜ
　今更どういうもりなんだよ』

左之助『ただ単にAのことを好いてるんじゃね
　ぇか？だが女を刀で斬りつけるのはどうも得
　心がいかねぇな』

皆が口々に話していると、

山南『おそらく、彼女の血が狙いかと』

全員の視線が山南に集まる。

近藤『山南君、それはどういうことだ？』

山南『私もあれから色々鬼の一族について調べてみま
　した。
　まず、鬼の一族からは女鬼が産まれづらく、子
　孫を残すのに苦労するそうです。
　そして数少ない女鬼を巡って男鬼の者達は争い
　をする。』

土方『なるほどな、だからAは蘭童に襲われた
　のか』

左之助『でも山南さん、さっき言ってた「Aの
　血が狙い」ってのはどういうことなんだ？』

山南『それについては詳しくは私も分かりませんが、
　おそらく彼女の血は他の鬼の血よりも与える
　影響力が強いのでしょう』

近藤『そうか、また機会があればA君に話が
　聞けると良いのだが、』

総司『あの風間千景っていう鬼、絶対Aちゃん
　のこと僕らに関わらせないつもりでいそうだけ
　ど』

平助『でもよ、女鬼が貴重で男鬼は狙うんだろ？
　なら千鶴も危ないんじゃねえか』

千鶴『え、えぇ！？私もですか？』

新八『確かに、千鶴ちゃん女鬼だっていうことには変
　わりねえしな』

千鶴『そ、そんな、』

近藤『大丈夫だ、雪村君。君は我々新選組が預かって
　いる以上、君のことは俺たちが守ろう』

千鶴は近藤に頼もしい言葉をもらうと安心した様子で

千鶴『ありがとうございます！』

土方『それで山崎。先程の話の続きだが＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿』

幹部達と千鶴がAや黒疾の話をしている最中。

彼らの会話に耳を貸す黒い影＿＿＿＿＿

　