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二十六話 ページ27

意識を失ったAの顔をみる黒疾。

黒疾『やはり、お前は美しいな。
  お前のような女鬼こそ俺の妻に相応しい』

そう言ってAの唇を奪おうとした刹那____


?『俺の妻だと?ふざけたことを申すな』

黒疾は後ろから何者かに首筋に刃を当てられていた。

この気配。この空気の揺らぎ方_____


黒疾はすぐに分かった。


黒疾『まさかこんな所で会うなんてな。

  風間千景。』


千景『貴様如きに呼ばれる名などない。
  Aから離れろ。』


千景が低い声で言った。


しかしそんな千景を見ても黒疾は微動だにしない。


黒疾『悪いが、この女は俺に必要なんだ。
  その頼みは聞けねぇな』


そうすると月明かりに照らされてAの姿が映し

出される。千景は驚いた。

Aの姿は__________


右腕に負った深い傷に、首筋から溢れ出る赤い血。

そして今にも死んでしまいそうなAの顔。

千景は表しようのない憤りと怒りが、胸の中で沸々と

湧き上がっているのが外面からでも見てとれた。


ギリギリ__

千景が刀を握りしめる音が静かな空間に響き渡る。


千景『おのれ、貴様っっ!!!
  我が妻に、Aにっっ、、、、
  何をしたぁぁぁぁああ!!!!!』


千景は目に見えぬ速さで黒疾に斬りにかかった。

しかし黒疾は千景の剣をするすると避けていく。


黒疾『何をしたって、抵抗するから攻撃しただけだ。
  それに彼奴の血を呑んだ。
  知ってるか風間。Aの血は極上だ。
  あれさえあればこの世を変えられかもしれん。
  それに彼奴と交われば強い血を持った子孫を残
  すことができる。』


千景『黙れ。お前の戯れ言など耳を貸さん。
  それにAは俺のものだ、
  今更誰にも渡す気などさらさらない』



そのとき__________



バンッッッ!!

黒疾『ぐっっ!!!』


黒疾は肩を銃で撃ち抜かれたのだ。


?『ッチ、外したか。まあいいか次は心臓いくぜぇ』


この声の主は、


千景『不知火、、、何をしにきた』


匡『何って、姫さんを助けにきたんだろうが。
  べつに風間に加勢しにきた訳じゃあねえよ。』


匡はわざとらしく言った。


肩を撃たれた反動で、黒疾の腕からAが落ちて

いく。だがAは落ちることなく千景の腕に抱

きとめられた。

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作者名:永舞 | 作成日時:2020年12月31日 20時

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