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其の参 織田信長 ページ9

姫国side
脇差「うわぁー。立派なお屋敷」
??「お?新しい刀か?」
思わず兄さんの後ろに隠れる
打刀「長谷部国重によって打たれた刀だ」
??「俺は薬研藤四郎。粟田口吉光によって打たれた短刀だ」
粟田口吉光!?
短刀の名工名手として有名な、あの粟田口吉光!?
薬研「お前たち、無銘か?」
打刀「そうだが」
薬研「ここの屋敷の主、織田信長は破天荒な名付けが有名だ」
脇差「というと?」
薬研「どんな名が付けられるか楽しみだな」
何でだよ!
破天荒な名付けが有名なんでしょ!?
どこが楽しみなの!?
打刀「どこがだ・・・」
薬研「俺には関係ないからな」
脇差「最低だ・・・」


脇差「酒臭っ」
薬研「しゃーねーだろ。宴会なんだからよ」
今日は屋敷で宴会が開かれている
酔っ払いが集まって相当酒臭い
信長「この刀は棚ごと茶坊主をへし切ったのだ。凄かろう凄かろう」
そう言って兄さん(本体)を見せびらかす
部下「とても良い切れ味の刀なのですね!」
長谷部「名前は悪いがな」
脇差「まぁまぁそう言わずに」
部下「そちらの刀に名前はないのですか?」
そういって僕を指差す
やめろぉ!
その人に名付けをさせるな!
酔った勢いで変な名前付けちゃうでしょうが!!
薬研「お。面白くなってきたなぁ」
脇差「頼むから名前付けないで〜」
信長「うぅむそうだなぁ」
僕を鞘から抜く
信長「姫国、というのはどうじゃ」
ううああああああぁぁぁぁぁ!
部下「何故姫国なのですか?」
信長「刃紋が姫のように美しいからな!」
どこが姫やねん!
信長「そして間もなくこの国はわしの物になるからな!だから姫国だ」
薬研「良かったな、姫国」
姫国「良くないぃ〜」
本当に最悪だ・・・


姫国「桶狭間の戦い、激戦だったねぇ」
薬研「そうだな」
不動「良いよなぁ。二振りは戦に連れていってもらえて」
姫国「不動だって信長さんお気に入りの刀でしょ」
薬研「そういやこの間来た宗三って奴、信長さんに大層気に入られた様だな」
姫国「あー、何か刻印入れられたんでしょ」
不動「羨ましいっ!」
姫国「不動からしたらそうだろうね」
遠くから声が聞こえた
宗三「全く、そういうところが犬の様だと言っているんです」
長谷部「このっ・・・!」
不動「この光景何回目?」
薬研「ここ最近毎日やってるな」
宗三さんと兄さんは折り合いが悪いらしく、ここ最近毎日喧嘩をしている
姫国「まぁ喧嘩するほど仲が良いって言うしね」
今は仲良いけど薬研と不動だってそうだったし

其の肆 黒田家→←其の弍 国重の鍛冶場



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作者名:兼さんの耳飾り | 作者ホームページ:http://yuzunoki  
作成日時:2023年6月2日 20時

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