話してくれ ページ44
姫国side
いた!明石さん!
姫国「明石さぁーーーん!!」
明石「ぐふっ」
勢い余ってドスッと、突撃してしまう。
明石「な、なんですのん?」
姫国「ほんと、ごめんなさい。忘れてて・・・」
明石「あぁ。やっと思い出したん?遅すぎますわー、ホント」
姫国「うぅ。ごめんなさい・・・」
明石「自分、結構怒っとるんで、今度手合わせなり何なり付き合うてや」
姫国「勿論です!!」
明石「おかえり。姫国」
姫国「ただいまです!」
長谷部side
取り敢えず、新撰組の刀たちと沖田総司の再会に水を差さないよう、手入れ部屋を出た
姫国はどこだ?
明石「それで、長谷部さんにあの事言うつもりはあるんです?」
姫国「うーん。ないですね!」
明石「言ったら面白いことなると思っとるんですけど」
姫国「明石さんにとっては面白くても、僕にとっては面白くないんですよね」
明石と姫国の話し声
長谷部「あの事、とは何だ」
姫国「に、兄さん・・・」
明石「こら観念するしかないですなぁ」
長谷部「教えてくれ、姫国。あの事とは一体なんだ」
姫国「えーと、黒田の屋敷を出た後、色んな所を旅したわけですよ」
コイツ相当話したくない事体験してるな
姫国は話したくないことがあるとき、敬語になる癖がある
姫国「それでですね、一度海を渡ったんですね。で、渡った先で山賊に商人が襲われたんですよ」
長谷部「はあぁ?」
姫国「ひぃー。だから話したくなかったのにっ!」
明石「ほら、面白いことになりましたやん」
けらけら笑う明石
姫国「そ、それでですね、僕は山賊にぶん盗られまして、散々脅しに使われた挙げ句、またもや質に入れられたんですよ」
明石「その後に、自分がおった屋敷の主人が姫国を買うてきたわけですわ」
姫国「で、何十年かそのお屋敷に留まった後、また質に入れられ、流れ流れて京都に着き、総司さんの愛刀になったわけです。めでたしめでたし〜・・・」
長谷部「めでたくないっ!!」
姫国の頬をつねる
姫国「いふぁいっ。いふぁいよひーふぁん」(痛いっ。痛いよ兄さん)
長谷部「まったく・・・。お前はいつも、俺を頼ってくれないな。俺は、頼りないか?」
姫国「そんなことない!因みに今の話はついさっきまで忘れてて・・・。で、今思い出したんだよ」
長谷部「いいか姫国。これから隠し事は無しだ。嬉しいことや楽しいことだけじゃなく、辛いこと、悲しいこともしっかり俺に話してくれ。いいな?」
姫国「・・・うん」
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作者名:兼さんの耳飾り | 作者ホームページ:http://yuzunoki
作成日時:2023年6月2日 20時