春告鳥の居場所 ページ12
清光side
堀川「僕は、早く織田や黒田にいたときのこと思い出せば良いのにって思ってた。僕、この本丸に来て、兄弟がいてとても嬉しかった。0からだったけど、兄弟として彼と過ごすことができて、楽しかった」
和泉守「俺もだ。俺は遠い存在に思えてた之定に会えた。国広と同じで、ここで初めて会った兄弟だが、それ以前も一緒にいたかのような関係を築くことができた。だが長谷部は、昔からあいつといた。だがそれを春は忘れた。長谷部は絶対に悲しかったはずだ。兄弟に忘れられるなんて、どんなに悲しいか俺にはわからねぇ。だから俺はこれでも良かったと思ってる」
清光「はぁ？何ソレ」
堀川「だって、春が僕たちのこと忘れたって、僕たちはここにいる。いつだって会える。いつか絶対思い出してくれる」
和泉守「それにあいつの居場所はここだけじゃねぇ。織田や黒田で辛い思い出があったにしろ、そこは春の大切な居場所だ」
堀川「だから、春を見守ってあげてほしい」
納得いかないよ、そんなの・・・
安定「わかったよ」
清光「安定！？」
安定「僕たちが、記憶が戻った春をここに縛り付けるわけにはいかない。それにさ、僕たちはずっと春と一緒にいた。ちょっとくらい兄である長谷部に一緒にいる時間をあげたっていいんじゃない？それに春も、知らない僕たちと一緒にいるのはちょっと辛いと思う。清光には僕や新撰組の皆がいるでしょ？一人じゃないって」
一人じゃない
その言葉を聞いて、少し安心した
俺はこの本丸の初期刀。次に仲間になったのは知らない刀
知らない刀には兄弟がいた
俺は兄弟がいない
だから春が来るまでずっと一人だって思ってた
でも今はそうじゃない
清光「そう、だね」
主「話は纏まったか？ほら散った散った」
安定「はいはい。行くよ清光」
清光「そーね。部屋にある春の荷物、纏めよっか」
安定「確かに」
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年6月2日 20時
