ep263 ページ16
「百地さん！」
驚く面々に対し、百地は寸分たりとも表情を動かさずに
「奴等はここでわしが食い止める。たとえ伊賀が落ちようとも、この国を沈ませるわけにはいかぬ」
とそう静かに言う。
その真っ直ぐとした眼に捉えられ、銀時達は簡単に口を挟むこともできない。
「将軍様、最後までお仕えできないことお許しくだされ」
一瞬だけ眉を下げてそう言うと、夜兎を食い止めるために来た道に向き直る百地。
そして担いだ手裏剣にグッと力を込めたその時――
「忍だけじゃ心許なかろう」
間一髪で桟橋の縁に掴まっていた近藤と土方が、橋の上に這い上がりながらそう言った。
「近藤さん！土方さん！」
まさかの展開に2人の名を呼ぶ新八だが、
「今回は忍と侍の共同作戦のはず」
「なら、俺達にも手柄を分けてもらうぜ」
2人はただ不敵に笑うだけだった。
「てわけだ。さっさと行けぇ」
「後はお巡りさんがついてなくても出来んだろ？」
「待てお前ら――！」
だが引き留めようとした神楽の言葉を遮って「万事屋ぁ」と呼びかける近藤。
「てめぇらとは何だかんだで長ぇ付き合いになっちまったなぁ」
束の間の閑散の中でその言葉が辺りに響く。
「だが俺達は一度だっててめぇらに仕事を頼んだことはなかった。
それがまさかこんな日が来ることになるとは……」
そう言うと、近藤はふっと鼻で笑ってみせる。
「もう任せられる奴は……頼れる奴はてめぇらしかいねぇ。――……てめぇらしかいねぇんだ」
そして、皆が耳を傾ける中、近藤は言った。
「こいつが真選組の――俺達の最初で最後の依頼だ。
万事屋ぁ！将軍様を……頼む」
迫るは夜兎、後ろは奈落の底。
桟橋の向こう側に残ることが何を意味するのか……それが分かっていても万事屋は何も言えない。
近藤の言葉がまるで遺言のようにしか聞こえないことも分かっている。それでも何も言えない。
こうなった今、返すべき言葉はたった一つ――……
「……承った」
その一言で、銀時は応えた。
それに近藤と土方が静かに微笑む中――――
一部始終を目の当たりにしながらも、一人ずっと口をつぐみ続けていたAが
「……ちょっと待ってくださいよ――……」
肩を震わせながらそう口を開いた。
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ギラッフェ(プロフ) - ゆうゆさん» コメントありがとうございます！楽しみにして下さってて本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2021年3月1日 1時) (
レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます！テストに間に合ってよかったです。これからもよろしくお願いします！ (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ - 更新凄く楽しみに待ってました！応援してます、これからも頑張ってください！！ (2021年2月26日 1時) (レス) id: 90e018deaa (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - めちゃめちゃ楽しみにしてました！これからの展開が楽しみですこれで明日のテスト頑張れます！ (2021年2月26日 1時) (レス) id: a90e951796 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - じゅうぞうさん» コメントありがとうございます！なかなか更新できずすみませんでした。応援ありがとうございます！ (2021年2月26日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ギラッフェ
| 作成日時：2020年8月29日 0時
