ep264 ページ17
―貴女side―
「……ちょっと待ってくださいよ――……」
そう言った自分の声が震えているのが分かった。こちらを見つめる全員の視線が刺さる。
でも待ってよ。
だって――――
それだけ?……たったそれだけ?
“将軍様を頼む”――その一言だけで彼等を置いていけと?
誰が考えたって分かる。ここで彼等を置いていくことが何を意味するのか。
異様に心臓がバクバク騒がしい。頭がぐらぐらする。
混沌とした頭の中を、感情を……どうやって彼等に伝えればいい?どんな言葉にしたら伝わる?
思わず拳を握りしめた私に、局長は言う。
「こんな形になってすまんがA君、君にも改めて言いたい。将軍様を頼――」
「断ります」
噛み千切らんばかりの力で唇を噛み締め、呆気に取られた局長の眼を睨みつける。
「断るって……」
「私がそっちに行きます」
そして神楽ちゃんに詰め寄って彼女の肩を掴む。
「神楽ちゃん。私を桟橋の向こう側までブン投げて」
「……え…」
「早くッ!!」
戸惑う彼女を乱雑に揺さぶったその時――――
「テメェは来んなッ!!」
副長の怒号が突き刺さる。
血の滲んだ唇をもう一度噛み締める。
そして副長の鋭い眼光に負けじと、私は眼を見開いた。
「副長命令だ」
「お得意のそれは使えませんよ。契約はもう切れてます。私は真選組の参謀じゃありません」
私の言葉に副長は眉間の皺を深くして、激昂する。
「どこの参謀だろうと関係ねぇ!!テメェは将軍様守るための参謀だろぉが!勝手なこと言ってんじゃねぇぞ!!」
「勝手なのはそっちだろッ!!」
なんだよ、さっきの遺言みたいなふざけた台詞。
承るって、何をだよ。
橋の向こう側でアンタ達が捨ててく命を?
ははっ、ふざけんなよ……んなもん願い下げだ。
「私はそんなことのために――ここで骨埋めさせるためにアンタらを作戦に入れたんじゃないッ!!」
そんなことになったら……
私は彼等に――
真選組のみんなになんて言えばいいんだよ……
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ギラッフェ(プロフ) - ゆうゆさん» コメントありがとうございます!楽しみにして下さってて本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ひなたさん» コメントありがとうございます!テストに間に合ってよかったです。これからもよろしくお願いします! (2021年3月1日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうゆ - 更新凄く楽しみに待ってました!応援してます、これからも頑張ってください!! (2021年2月26日 1時) (レス) id: 90e018deaa (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - めちゃめちゃ楽しみにしてました!これからの展開が楽しみですこれで明日のテスト頑張れます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: a90e951796 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - じゅうぞうさん» コメントありがとうございます!なかなか更新できずすみませんでした。応援ありがとうございます! (2021年2月26日 1時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2020年8月29日 0時