【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 肆

ep197 ページ50

「この声は……」


そう言って振り向いた先には、見覚えある真っ黒な服に身を包んだ人影。


「遅ぇぞ参謀」


吐き捨てるような土方の言葉にふっと笑い、Aは屋根から地面へと着地する。

そしてスクッと立ち上がったAを見た瞬間、その場が凍りついた。




　




「「え……。なんか小さくね…？」」



お馴染みの童顔はそのままに、短くなった髪と銀子の肩にも届かない身長。



「なんで1人だけ幼児化してんだアンタァァァァアアア！？」


言うまでもなく、新八渾身のツッコミが炸裂した。





「いやぁ〜私も最初は幼児化かと思ってたんだけど、一応性別的には男子なんだよね。
トイレに入ってビックリだったよ。こんな可愛い顔して結構デカくてさぁ」


「んなこと誰も聞いてねぇよ！」


見た目ショタの不適切発言に思わず頭を抱える新八。それに対し沖田は……


「マジですかィ？実際どんくらいで――……」

「興味持つなァァァァ！！なんでそこ張り合おうとしてんだ！！童顔争いか！？童顔同士の負けられない戦いなのか！？」



もはや突っ込みすぎてゼェゼェと肩で息をする新八とそんな彼を眺めながら愉快そうに笑うA。



「ま、取り敢えず頼まれてたもの持ってきたんで場所を移動しましょーか」



その言葉に路地裏へと移動した面々。
Aはパソコンとチップを出して隊士に渡す。


するとしばらくして


「ここ一帯の監視カメラは大丈夫です」

「よし」


腕を組んでそう言った。
不思議そうな顔をする銀子達にAは事情を説明する。


「街中の監視カメラはデコボッコ教に掌握されているからね。取り敢えずチップで映像を書き換えて敵の眼を潰すんだ」




なるほど、と思っていれば「そんなに慌てることでもないからね」とAが続ける。



「眼さえ潰せれば後は本拠地を攻めるだけ。敵は自分達が目隠しされてることなんて気付きもしない。気付いたとしてそれは既に手遅れだ。数で圧倒して徹底的に袋叩きにして——……潰す」



光の宿らない眼で嘲笑うように言ったA。

その場にいた誰もが思った。


こんなショタは嫌だ、と……。



　

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