ep152 ページ5
―no side―
江戸城門の手前、見張りからはちょうど死角になる路地裏に黒塗りの車が停車する。そこから降りてくる松平、佐々木、橘。
そして彼等に守られるように将軍が地に降り立った瞬間、その場にいた真選組と見廻組は一斉に跪いた。
「皆、頭を上げてくれ。今回の件、元はと言えば将軍家のわだかまりが引き起こしたこと――……」
いささか困惑したように言った将軍に隊士達は顔だけ上げた。
「上様――……」
その時、何か言おうとした近藤の言葉をAが軽やかに手を打って遮った。
「はいはい、それは諸々終わった後にしましょうね」
そしてインカムを押さえて銀時達の現状を探る。
――あちらもちょうど本丸に辿り着いたか。
それを確認すると
「見廻組の皆さん、準備は整いました?」
黒一色に染まった佐々木達を振り返って尋ねる。そしてじぃっと彼等を見たかと思うと
「…………予想以上に似合わない」
真顔で呟く。
「エリートの色は白ですから。そこらのバラガキの色が似合わないのは当たり前です」
「副長は白も似合ってましたけどね」
何のつもりもなく返したその言葉に佐々木は図らずも不満げな表情を垣間見せる。一方、褒められたはずの土方も
「見え透いたご機嫌取りすんじゃねぇ」
これまた不機嫌な表情を浮かべていた。
「ありゃ、バレましたか」
苦笑いしながら肩をすくめたAに肩を叩いて刀を差し出す沖田。
「Aさん、屯所に戻るついでに刀取ってきやしたぜィ」
それを受け取って腰に差すと「では、行きましょうか」と振り返る。
その瞬間、一斉にして張り詰める緊張の糸。
肌をチリチリと刺すような雰囲気を連れて真選組と見廻組は江戸城門へと歩を進める。
そして――……
「真選組、幕命により賊鎮圧のために参上致した!門を開けていただきたい!」
近藤の声が夜闇に響いた。
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ギラッフェ(プロフ) - 腐った女子さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!励みにさせていただきますね!! (2020年5月30日 15時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
腐った女子 - いつもこれが更新されるのを励みにしてます(笑) 更新頑張って下さい! (2020年5月30日 1時) (レス) id: 59a5a46759 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 水神の狐さん» コメントありがとうございます!この回、性転換回というより野糞回だな…と個人的には思ってます笑笑 これからもよろしくお願いします! (2020年5月1日 23時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
水神の狐(プロフ) - 安心と納得の野糞wwwめちゃめちゃすきです!!これからも更新頑張ってください! (2020年5月1日 18時) (レス) id: 5a6fe00bf5 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ジャスタウェイさん» ありがとうございます!もうお名前からして同志って感じで嬉しいです!これからも宜しくおねがいします! (2020年4月13日 16時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年9月17日 19時