ep153 ページ6
「上手くいきすぎてなにやら拍子抜けだな……」
次々と見張りを欺き、難なく江戸城に侵入できてしまった事実に微妙な面持ちの近藤が言う。
「警備がゆる過ぎんだよ。舐めてんのか」
荒ついた舌打ちをする土方に
「そこは警備のずさんさじゃなくて私の策の優秀さを褒めてくださいよ」
と、肩をすくめるA。
彼女は先導を切って進むと暫くして足を止めた。そしてインカムを押さえながら指令を出す。
「ここで分かれましょう。爺やさんを回収した神楽ちゃんと新八君がこちらに向かってます。真選組は彼等の援護を」
「げ、クソチャイナの援護かよ」
悪態つく沖田を一瞥してAは続ける。
「見廻組は本丸で銀時達の援護を。真選組とは別の道を通るので私について来て下さい」
「え、Aさん本丸の方に行くんですか?」
驚きの声をあげた山崎にAは「状況を見たら直ぐそっちに戻るよ」と答える。
そして黒の隊服を脱ぎ棄て、白に様変わりした佐々木達と先を急いだ。
その道中――……
「あの男を気にするのは貴女もかつてあちら側だっだからですか」
不意に佐々木が尋ねた。
Aは少し不機嫌そうに一瞥してから「黙秘します」と答える。
「白夜叉との繋がりを知られまいと警察のデータを抹消したのでしょうが、それがかえって貴女と白夜叉の繋がりを証明した……」
Aは聞き流し続ける。
「やましいことがあるから消したのでしょう」
モノクルを光らせ、急所を刺したとばかりの表情の佐々木に冷めた視線を注ぐA。
彼女は足を止めないまま溜息交じりに答えた。
「関係があるか否かということよりどんな関係があったか……が問題なんですよ」
「成る程……。とは言っても大体察しはつきますがね……貴方達の関係」
「でも証拠が消された今、それは推測の域を出ないでしょう?」
その切り返しに思わず黙り込んだ佐々木を見て、「その話はこれくらいにしておきましょう」と話に終止符を打とうとしたその時――――……
《グハッ――……!》
明らかに普通とは思えない銀時の声がAの耳をつんざいた。
思わず立ち止まりそうになるが、慌てて足を進めながらインカムを押さえる。そうすれば銀時の名を叫ぶ月詠の声が聞こえる。
――……何が起きた……?
「どうしました?」
不意に尋ねた佐々木に「……急ぎますよ」
Aは前を向いたまま足をさらに速めた。
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ギラッフェ(プロフ) - 腐った女子さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!励みにさせていただきますね!! (2020年5月30日 15時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
腐った女子 - いつもこれが更新されるのを励みにしてます(笑) 更新頑張って下さい! (2020年5月30日 1時) (レス) id: 59a5a46759 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 水神の狐さん» コメントありがとうございます!この回、性転換回というより野糞回だな…と個人的には思ってます笑笑 これからもよろしくお願いします! (2020年5月1日 23時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
水神の狐(プロフ) - 安心と納得の野糞wwwめちゃめちゃすきです!!これからも更新頑張ってください! (2020年5月1日 18時) (レス) id: 5a6fe00bf5 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ジャスタウェイさん» ありがとうございます!もうお名前からして同志って感じで嬉しいです!これからも宜しくおねがいします! (2020年4月13日 16時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年9月17日 19時