ep181 ページ34
その後、刀を振りかぶったAをなんとか高杉がなだめ、事態は事なきを得たが……
「こりゃあいかんぜよ、ヅラ。みんな長期にわたる膠着状態で爆発寸前じゃ」
「いや、爆発させたのお前!」
元凶とも言える坂本は通常営業でヤクルコを飲み終えると、ぷはーっと息を吐きつつ言った。
「みんなで遊郭にでもくり出すか!!」
「こんな山奥のどこに遊郭がある!?」
的外れな坂本の提案は続く……
「五月太夫のもとにでもくり出すか!」
「む、五月太夫はいかん!」
だが、そこはなぜか突っ込まない桂。それを不思議に思った坂本があっけらかんとして尋ねるが……
「なんじゃ、ヅラも手ェだしとったか?」
「違う!俺はただ、未亡人だというから身の上話に付き合ってやっただけで……」
「ん?身の上に乗ってつつき合った?どういうことじゃ?」
「どういう耳をしとるんだ貴様!」
分かるような分からないような聞き間違いのせいで事態は余計に混乱を極めたその時――――
「あの……みなさん。缶蹴りしませんか?」
控えめな声がして、皆がそちらを向いた。
深藍色の羽織を着たその男――件の人物、黒子野太助だった。
だが、膠着状態とは言え戦の最中。勿論のこと、桂は難色を示して銀時と高杉に言う。
「缶蹴りだと!?……おい、お前らからもなんとか言って――」
だが、
「チビはこういう時いいよなー。お前ならあの空き缶の中にも隠れられるんじゃね?ほとんどプルトップだもんな!?」
「今から負けた時用に言い訳作りか?隠密奇襲作戦はてめーの十八番じゃなかったのかァ?
まぁ…あの程度の作戦、俺達鬼兵隊なら片手でこなせるがな?」
「上等だ!どっちが先に缶蹴れっか決着つけてやる!!」
低次元な煽り合いののち2人は草むらに消えて行った。
「おいA!!参謀だろう!どうにかしろ!」
仕方なく矛先を変えた桂だったが、そう言われた当の参謀は……
「缶蹴り?いいじゃんやろーよ」
俄然やる気。
「…………参謀とは……」
もはや二の句が継げない桂。
そんな桂を置いて草むらの方に走って行くAだったが、
「あ、そうそう……」
と言うと途中で振り返った。
「辰馬、隠れる時は背後に気を付けるんだよ」
そしてそれだけ言い残すと再び走り出し、草むらに消えていった。
「「こわ……」」
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ギラッフェ(プロフ) - 腐った女子さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてすごく嬉しいです!励みにさせていただきますね!! (2020年5月30日 15時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
腐った女子 - いつもこれが更新されるのを励みにしてます(笑) 更新頑張って下さい! (2020年5月30日 1時) (レス) id: 59a5a46759 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 水神の狐さん» コメントありがとうございます!この回、性転換回というより野糞回だな…と個人的には思ってます笑笑 これからもよろしくお願いします! (2020年5月1日 23時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
水神の狐(プロフ) - 安心と納得の野糞wwwめちゃめちゃすきです!!これからも更新頑張ってください! (2020年5月1日 18時) (レス) id: 5a6fe00bf5 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ジャスタウェイさん» ありがとうございます!もうお名前からして同志って感じで嬉しいです!これからも宜しくおねがいします! (2020年4月13日 16時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年9月17日 19時