ep164 ページ17
ドサ――……
そんな音で目を覚まし、あくびをしながら布団から顔だけ出せは机の上にそびえ立つ書類の山。
思わず眉をしかめて、その傍らに立つ副長を恨めしそうに見上げた。
「……はぁ……またですか」
「仕方ねぇだろ。暗殺された奴を病死扱いにすんだ。これくらいの書類仕事で済んでるだけマシだと思いやがれ」
それはそうだけれど……。毎朝、書類の積まれる音を目覚ましにするのもそろそろ御免こうむりたい。
「まぁ、それに加えて将軍様の解官取り消しですからね。天導衆の決めたことでなんで私達の仕事が増えるんだか……」
はぁ……と盛大な溜息と共に思い切って布団から抜け出した。
「そして仕事とは言え、異性の寝室に許可もなく入ってくるのもどうかと思いますけどね」
すると今更気づいた、という様子でバツの悪い顔をする副長。小さい謝罪の声が聞こえたが、彼の目の下の隈は相当のもの。
「まぁ気にしないで下さい。副長が疲れてるのは百も承知ですから」
それくらいの分別がつかなくなるくらいにはお互い睡眠不足を極めている。
「今日中に片付けてお渡ししますね」
そう言って部屋から出て行った副長を見送った。
大きく伸びをして身支度を済ませて机に向かう。
書類に目を通せば通すほど、結局天導衆の都合のいいように片付けられていることをまざまざと感じる。
「はぁ……何のためにここまでしたんだか」
変わったことと言えばもうあの狸ジジイがこの世にはいないことくらいだ。
それも私達の功績かと言われればそうではないし、何ならあの重要参考人をみすみす死なせた罪は並大抵のものではない。
しかも晋助が殺ったとなれば尚更のこと責任は――……
「…………あーやめやめ。それについては考えない」
引きずるな……みっともない。
書類の上でペンを走らせつつ、邪念を振り払うように頭を左右に揺さぶった。
そしてふと疑問に思って首をひねる。
そもそも私は狸ジジイの化けの皮剥がすためにあの場に送り込まれたわけだが、銀時達はなんでだったかな……？
たしか……爺やさんの想い人がどうのとか――
牢屋の中で聞いた話を思い出しながら
「……憂さ晴らしでもするか」
頬杖をつきながら呟いた。
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ギラッフェ(プロフ) - 腐った女子さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけてすごく嬉しいです！励みにさせていただきますね！！ (2020年5月30日 15時) (
レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
腐った女子 - いつもこれが更新されるのを励みにしてます(笑) 更新頑張って下さい！ (2020年5月30日 1時) (レス) id: 59a5a46759 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 水神の狐さん» コメントありがとうございます！この回、性転換回というより野糞回だな…と個人的には思ってます笑笑 これからもよろしくお願いします！ (2020年5月1日 23時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
水神の狐(プロフ) - 安心と納得の野糞wwwめちゃめちゃすきです！！これからも更新頑張ってください！ (2020年5月1日 18時) (レス) id: 5a6fe00bf5 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ジャスタウェイさん» ありがとうございます！もうお名前からして同志って感じで嬉しいです！これからも宜しくおねがいします！ (2020年4月13日 16時) (レス) id: 7540e8ed1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ギラッフェ
| 作成日時：2019年9月17日 19時
