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ep440 ページ43

—貴女side—



「高杉ィィ!てめぇぇ!!」


目指す目標地点、遥か頭上から降る声に私は目を凝らした。するとビルの屋上で奈落に囲まれた銀時が視界に入る。

その先には勿論、銀時を激昂させたその名の主もいるわけで。


「どうやらお前はそいつを持つにはふさわしくねェようだ」


銀時の懐から虚の心臓を掻っ攫った晋助が笑うのが見えた。

やれやれ、楽しそうにしてくれちゃって……混乱の阿鼻叫喚はアンタらのための祭り囃子じゃないんですがねぇ。


呆れた私を察してか、隣のヅラが走るスピードを速めた。何年振りに見るか……懐かしの和服を靡かせる背中にニヤリと訊いてみる。


「ねぇヅラ。取って来い、できる?」

「造作もない」



その答えを残して先を急いだヅラは————



「手柄を一人占めされては困るな」


すれ違いざまに晋助から虚の心臓を奪い


「ターミナルを爆破して一国の総理大臣の首を取る。そんなマネができるのはそれこそ総理大臣か、この桂小太郎をおいて他にない」


余裕綽々の笑みを湛えて屋上に降り立った。


当の私は完全に予想外、不本意極まりないって顔の銀時と晋助に優越感を感じて最高にいい気分である。



「銀時、大事なものは懐深く大切に抱いておかねばならんぞ。いつどこで誰が騙し討ちを仕掛けて奪いにくるとも限らん……なぁ高杉?」


地上の私にちらりと視線を寄越したヅラ。
「そうだ言ったれ言ったれ〜」と私は地面から屋上に向かって煽りを入れた。

するとそれがちゃんと聞こえたのか、やけに苦い顔をする2人。


「……んな顔すんなら——……」


いや、この先は言わないことにしたんだった。

恨み節紛いの台詞の先を飲み込んで見上げれば、ヅラは相変わらずの余裕ぶりで虚の心臓をぽーんぽーんと放り投げながらもてあそんでいた。


あの2人から上手く心臓を奪えて上機嫌なんだろうな。


「その点を踏まえても、心臓はガサツなお前達ではなくこの俺が——」

「いやいや。すごいそれおまいうだよヅラ。私が持っとくから——」


と言っていたはなから


ガッ……


ヅラの掌が受け止め損ねた心臓は…


ゴスッ——…


屋上の張りに当たって自由落下し始めた。




「ほら言わんこっちゃない!!」



 

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Hi(プロフ) - ぜひ!末永くお待ちしております(*^^*) (2月18日 2時) (レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Hiさん» コメントありがとうございます!わかります、私も原作で涙しました笑 明言はできませんが決して救いも希望もない結末にはしないので完結まで楽しみにしていてくださると嬉しいです (2月17日 21時) (レス) id: 2081f8c6f1 (このIDを非表示/違反報告)
Hi(プロフ) - コメント失礼致します!大変面白く中身もきっちりと構成されていて感動しながら読んでいます(*^^*) 野暮ですが、希望としては高杉晋助が死なない方向がいいなぁと思っています、打たれ弱いので笑笑 (2月17日 15時) (レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - りんごジュースさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしていただけましたか!とっても嬉しいです(^^) 今後ともよろしくお願いします! (1月31日 0時) (レス) id: 4ad20a9210 (このIDを非表示/違反報告)
りんごジュース - コメント失礼します!主様の作品どれも素敵で一気に読んでしまいました笑笑どのお話もキュンキュンしてました!!これからも陰ながら応援しています! (1月30日 22時) (レス) @page50 id: 81b633d03b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2023年9月10日 22時

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