ep430 ページ33
—no side—
それから2年————。
破壊の限りが尽くされた江戸にも以前の街並みと活気が戻りつつあった。
その中を歩く新八は偶然出くわした松平片栗虎、そよ姫と行動を共にして、新しく創設された国会議事堂を眺めていた。
『初代内閣総理大臣』と威風堂々たる肩書を背負った桂の演説が街のどこかしこから聞こえてくる中……
ドォォォオンッ！！
議事堂から上がった派手な爆発と煙。
「ユーアーファイアードォォ！！！」とよく知った声が意味のわからないことを叫んでいるが……
「そうか失敗したか……まぁまたチャンスはあるさ」と隣で電話を閉じた松平に問う。
「いまアンタ内閣総理大臣暗殺の黒幕してませんでした？」
至極まともでもっともな正論に松平もまた当然のように答える。
「元テロリストに国を任せるバカがどこにいるんだよ」
じゃあなんで桂が総理大臣などに登り詰めているんだと問いただせば
「黒縄島で約束しちまったんだよ。後で消せばいいと思ってたらなかなか死なねぇもんで」
「アンタが作ったんかい！あのモンスター総理！！」
思わずツッコミを入れた新八に「いやァ……」と突然イマイチ歯切れが悪くなる。
「一応条件付きにしたんだが肝心のそれが機能不全と言うか何と言うかなァ」
「条件？」
首を傾けたその時——
横を通り過ぎようとしていた人影が急停止するのが目に入った。
「あ"ー！やっと見つけた……松平長官！」
げ……とバツの悪そうな顔をしてあろうことか新八の背中に隠れる彼。
盾にされた新八が向かい合ったのは——
「ヅラの暗殺は黙認するから議事堂爆破だけはやめてくれって言いましたよね！？復興途中のこの財政難でどう修理費を捻出しろと！？」
鬼のような剣幕の橘Aだった。
途中でハッとしたらしい彼女は「あれ、新八君？わぁ……大人っぽくなって分からなかったよ」と懐かしくも柔らかい笑みを浮かべる。
が、それも束の間。
「ごめんね、後ろのアホ長官引き渡してもらえるかな？」
すぐに有無を言わさない空気を纏って小首をかしげる。
「ああ、ハイ」と身柄を引き渡すと、怒涛のお叱りに今更言い訳を並べ始める黒幕。
「いや寧ろ爆破したのは総理の方っていうか…」
「発端は長官ですよね？」
すっかり身を小さくした松平が少し不憫な気もしつつ、新八はAをまじまじと見つめていた。
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Hi(プロフ) - ぜひ！末永くお待ちしております(*^^*) (2月18日 2時) (
レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Hiさん» コメントありがとうございます！わかります、私も原作で涙しました笑 明言はできませんが決して救いも希望もない結末にはしないので完結まで楽しみにしていてくださると嬉しいです (2月17日 21時) (レス) id: 2081f8c6f1 (このIDを非表示/違反報告)
Hi(プロフ) - コメント失礼致します！大変面白く中身もきっちりと構成されていて感動しながら読んでいます(*^^*) 野暮ですが、希望としては高杉晋助が死なない方向がいいなぁと思っています、打たれ弱いので笑笑 (2月17日 15時) (レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - りんごジュースさん» コメントありがとうございます！キュンキュンしていただけましたか！とっても嬉しいです(^^) 今後ともよろしくお願いします！ (1月31日 0時) (レス) id: 4ad20a9210 (このIDを非表示/違反報告)
りんごジュース - コメント失礼します！主様の作品どれも素敵で一気に読んでしまいました笑笑どのお話もキュンキュンしてました！！これからも陰ながら応援しています！ (1月30日 22時) (レス) @page50 id: 81b633d03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ギラッフェ
| 作成日時：2023年9月10日 22時
