ep401 ページ4
だが、共闘して知ったその実態は真逆。
あまりにも真っ直ぐだった。
以前まで敵だった鬼兵隊相手にやけに親密かと思えば、この先の戦場は自分達で選べと突き放す。
一見正反対の態度が万斉には、そこに命を懸けにいく当事者達を最大限に尊重した優しさに見えた。
そして深読みかと思って自分の中で持て余していたこの仮説はさっきの彼女の言葉で確信に変わった。
—— 参謀ってのは前線に立つ奴らのためなら、そのリスクを冒さずにはいられない生き物なんです
そうか、それが彼女の原点にして行動原理なのだとやっと腑に落ちた。
前線に立つ者の為ならばおどけることも、冷たく突き放すことも、リスクや反感を買うことも厭わない。当の本人が自覚しているかはさておきそんなあまりに人間らしく、情の厚いところを知って……成程。
攘夷四天王の参謀とはこういう人間なのだと理解した。
晋助が彼女について語らなかったのは別に恨んでいたのでも目の敵にしていたのでもなく、ただこの参謀を隣に置けなかった後悔からだったんだろう。
まぁ、これは完全に自分の憶測と邪推だが。
「でも今言ったのと別に、もう一つ理由があります」
そんなAの台詞に一気に意識を引き戻される万斉。
「いや寧ろこっちが本命だな。ハッキングの件はそれを手伝って貰えるかの事前テスト。で、貴方はそれに見事合格した」
また何やら雲を掴むようなことを言い始める参謀に、万斉は恐ろしさより好奇心を感じていた。
「おたくの総督さんを騙してくれませんか」
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Hi(プロフ) - ぜひ!末永くお待ちしております(*^^*) (2月18日 2時) (レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Hiさん» コメントありがとうございます!わかります、私も原作で涙しました笑 明言はできませんが決して救いも希望もない結末にはしないので完結まで楽しみにしていてくださると嬉しいです (2月17日 21時) (レス) id: 2081f8c6f1 (このIDを非表示/違反報告)
Hi(プロフ) - コメント失礼致します!大変面白く中身もきっちりと構成されていて感動しながら読んでいます(*^^*) 野暮ですが、希望としては高杉晋助が死なない方向がいいなぁと思っています、打たれ弱いので笑笑 (2月17日 15時) (レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - りんごジュースさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしていただけましたか!とっても嬉しいです(^^) 今後ともよろしくお願いします! (1月31日 0時) (レス) id: 4ad20a9210 (このIDを非表示/違反報告)
りんごジュース - コメント失礼します!主様の作品どれも素敵で一気に読んでしまいました笑笑どのお話もキュンキュンしてました!!これからも陰ながら応援しています! (1月30日 22時) (レス) @page50 id: 81b633d03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2023年9月10日 22時