【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀 玖

ep419 ページ22

—no side—


その後、解放軍の猛攻を制して神楽達の元へと駆ける面々。


「Aさん、僕たちこの後どうすれば？」

「なんか作戦あんだろ？」


その中で問うた新八と銀時に「作戦と呼ぶにはお粗末だけど…」と断って

「まずは源外さんの奪還、そしてどっかに居る虚を炙り出して叩く。それしかない」

Aは言う。


「シンプルでいいじゃねぇか」

そのシンプルが最も困難だと分かっていて、銀時はそう返した。


見えてきた建物を前にAは目を凝らす。頭数は敵が少し上、しかし戦況は夜兎の傭兵部隊長と神威、神楽の1対2。


そして……


「2人が敵の頭を倒した。8割方制圧してる。このままあのビル乗り込むよ！」



階段を駆け上がる彼等の耳に聞こえてくるのは


「こちとらさっさと雑魚を片付けて本命とやり合いたいだけだ」


相変わらずの夜兎節。Aは「ったくあの団長は……」とぼやいた。


「お前もさっさと片付けたい雑魚の1匹さ！」


神楽に拳を繰り出す神威が視界に入る。


「銀時ッ！」

「言われねぇでも！」




ヒュンッ——……！


その瞬間、兄妹の間を木刀が駆け抜けた。



「よォ、すっかり仲直りできたようで何よりだ。
だが決着つけるってんなら俺が先だろ兄ちゃん」


銀時の煽り文句に対し、間一髪で木刀を避けた神威はいつもの笑み。そこに沖田の声が重なる。


「いんや、俺も口説かれた覚えがあらぁ。こればっかりは旦那にも譲れねェな」


それを聞いてやれやれと首を振りながら吐き出すA。


「団長の手綱握っとくのは副団長の役目では？」

「悪ぃな嬢ちゃん。だが折角あのバカ団長が部下への労りを覚えたんだ、堪能しときてぇのよ」


どうにもならんとばかりに肩をすくめた彼女は、まだ続くギャルゲー展開に意識を向けた。


「あちこち再戦フラグおっ立てといて本命1人とハッピーエンドなんて思ってねぇよなぁ？」

「てめぇにお似合いなのは東西南北のヒロインから串刺しにされる修羅場エンドでぃ」

「一回やっただけなのに重たい連中だな」


「ややこしい言い方すんな！」

思わず突っ込んだ神楽の言葉にうんうんと大袈裟に頷く。


「東西南北敵だらけ……俺にとってはハッピーエンドだ。心配いらないよ、種だけ蒔いて責任取らないなんて軽薄なことはしない」


語弊が加速してるぞ、と誰もが心の中で呟いた瞬間、



「ちゃーんと、ヒロイン全員ブッ殺す」


神威は嬉々として敵の傭兵達をブチ抜いた。


　

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