ep416 ページ19
ヒノカグツチとかいう大層な惑星破壊砲で地球が塵になるまであと6時間。
地球の解放軍は諸共殺されてなるまいと闘乱状態。天鳥船内部も劣勢が色濃くなる。
そんな時にこの男は言うわけだ。
《困るねェ、人のいねェ間に勝手なことされちゃあ》
そんな狂った台詞を。
ヅラの船を文字通り“後押し”して敵本艦に辿り着いた鬼兵隊。そんな彼等の総督は、「あと6時間で地球は塵」なんて展開に誰よりも納得のいかないバカ。
《地球を壊す破壊兵器だぁ?悪いがそいつの出る幕はねェよ……。世界を壊すのは——俺だ》
もはやその世界に対する執着は歪んだ愛だと思うんだ。
繋いだインカムからは辰馬とヅラの息を呑む音だけが聞こえた。
「問題児と愉快な仲間達、配送完了」
インカム越しにそう伝えて、たぶん晋助を見て思考停止してるだろう2人を引き戻す。
《……突飛もほどほどにしろA》
《まっこと予想外の増援ばっか寄越してくれる奴じゃな……》
そりゃあ……
「文句はあと6時間とか制限時間つけ始めた敵さんに言って?」
そんな趣味の悪いカミサマなんかいてたまるか。
「ほら、沈めてやれ。」
その後、地球が近くなった影響で3人との通信は途切れた。
あちらは任せて、そろそろ歌舞伎町にどう帰るかに集中しよう。暗くなった地球の地表を見て考える。
地球と繋いだインカムから掠れた音が聞こえてくる。通信は少しずつ戻りつつあるということは源外さんが敵に攫われたと読むのが妥当かな。
でも正直、敵ながらナイスタイミングと言いたい。
機械を機能不全たらしめるウイルスがばら撒かれた地球に近づけば、もちろんこの飛行艇も制御不能に陥って私は墜落待ったなしだったのだから。
とは言え未だ完全回復には至ってないことから察するに、源外さんを殺すわけにもいかずやきもきしているところだろう。
完全回復すれば敵が優勢、しかしこの貧弱な通信でこの飛行艇の舵をしっかり握れるかといえば……
うーん、これから地球に着陸したい私としてはかなり二律背反。
着陸による人的被害は避けたい。かと言って歌舞伎町から離れたところに着陸しても銀時達と合流するのに時間がかかり過ぎる。そんな悠長なことをしてる暇はない。
せめて着陸できるような開けた場所の目安があればどうにかなるのに……。
しかし目を凝らした先は、灯り一つない真っ暗な街だった。
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Hi(プロフ) - ぜひ!末永くお待ちしております(*^^*) (2月18日 2時) (レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - Hiさん» コメントありがとうございます!わかります、私も原作で涙しました笑 明言はできませんが決して救いも希望もない結末にはしないので完結まで楽しみにしていてくださると嬉しいです (2月17日 21時) (レス) id: 2081f8c6f1 (このIDを非表示/違反報告)
Hi(プロフ) - コメント失礼致します!大変面白く中身もきっちりと構成されていて感動しながら読んでいます(*^^*) 野暮ですが、希望としては高杉晋助が死なない方向がいいなぁと思っています、打たれ弱いので笑笑 (2月17日 15時) (レス) id: c9fcf96ef3 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - りんごジュースさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしていただけましたか!とっても嬉しいです(^^) 今後ともよろしくお願いします! (1月31日 0時) (レス) id: 4ad20a9210 (このIDを非表示/違反報告)
りんごジュース - コメント失礼します!主様の作品どれも素敵で一気に読んでしまいました笑笑どのお話もキュンキュンしてました!!これからも陰ながら応援しています! (1月30日 22時) (レス) @page50 id: 81b633d03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2023年9月10日 22時