ep7 ページ9
「「は?」」
部屋にいたその他大勢の声がハモる。
まぁ、確かに自分の屯所なんて地図見なくても行けるし、屯所の場所聞かれたところで地図なんか使わない。
地図見て分からないのも理解できなくはないけど……
「ハッハッハッハ、灯台下暗しだったな!」
豪快に笑うオッサンを見ながら開き直り早すぎないか?と思ったりもする。
「まぁなら話は早いですね。どうもこれから宜しくお願いします」
「そうかそうか君が橘君だったか!真選組局長の近藤勲だ。宜しく」
握手を交わす私達を目の前においおい、と横槍を入れてくる煙草男。
「ちょっと待てくれ近藤さん、何も話が見えねぇんだが」
「土方さんは本当に頭の回転が悪くていけねェや。言ってたじゃねェですかい。今日から真選組に補佐役が来るって」
「総悟テメェッ!」
煙草男こと土方さんとやらが拳を固めて繰り出すが、それは茶髪の子こと総悟とやらにヒョイと躱された。
悔しそうにわなわな震える土方さんを眺めながらぼーっとしていると
「で、テメェはいつまでフード被ってるつもりでィ」
背後からバサリとフードを外される。
「あ……」
「一体、どんな不細工な面隠して――……」
気付いた時にはすっかり私の視界は明るくなってしまっていた。
視線をあげると「え……」と目を見開いて驚く真選組の面々と目が合う。
そして訪れる沈黙。
そんな中、懐から新しい煙草を取り出して火をつけた土方さん。ふぅ、と煙を吐いて諭すように言った。
「近藤さん……いくらなんでも未成年を雇うのは――」
「とっくに成人済みです!!すみませんね童顔で!!」
だいたい、そこにいる総悟って子だって未成年でしょーが。思っ切り刀差して警察やってんじゃん。
「すまないすまない。橘君のことはまだ詳しく説明していないんだ」
一生懸命なだめようとする近藤局長に、はぁ…と溜息をつく。
相変わらず何か気に入らなさそうな様子の土方さんは
「てかテメェ契約社員つってたろ。嘘じゃねぇか」
「依頼されて契約結ぶんだから嘘ではないでしょーよ」
私の切り返しに大きな舌打ちを返してきた。
「では広間に行くか!他の隊士にも紹介しないといかんしな!」
そう言って再び豪快に笑う局長。眉間に皺を寄せる副長。もはや興味無さげな沖田君。
これは前途多難だ……。
私はこっそり溜息を吐いた。
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ギラッフェ(プロフ) - からちぇさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも応援お願いします! (2020年9月11日 22時) (レス) id: c665168944 (このIDを非表示/違反報告)
からちぇ - ドストライクな作品でした!めちゃくちゃ好きです (2020年9月10日 19時) (レス) id: b750728265 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 今井月華さん» コメントありがとうございます!ちょっと気を抜くとすぐ体調崩しちゃいますからね、気をつけます。月華さんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - ハニーさん» ご心配ありがとうございます!これからインフルエンザの季節ですし、ハニーさんもお気をつけ下さい(^^) (2018年11月3日 7時) (レス) id: c530a04275 (このIDを非表示/違反報告)
今井月華(プロフ) - お疲れ様です。体調にはお気をつけ下さい^_^ (2018年11月2日 21時) (レス) id: 7d138352b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2018年10月1日 22時