【銀魂】前職：攘夷四天王専属参謀

ep44 ページ46

「で、どこ行きたいんですか？」


黒のリムジンに乗せられ、将軍様と向かい合いながら尋ねる。


「そうだな…………民の暮らしが見たい」


はいアバウトぉ〜そういうのが1番困る。


「ならオジサンの馴染みの床屋でも行くってのはどぉよォ？」

「そうだな」


え？床屋？民の暮らし？？
なんか方向性違くない？


「よくお忍びで街に出たりするんですか？」

「あぁ、片栗虎に連れられてよく吉原に」


いや待て、それは民の暮らしじゃないぞ将軍様ッ！？

え、なに、松平のおっさんは将軍にそんなことを教えてんの？



「……長官」

「いいじゃあねぇかァ。年頃なんだからよォ」


じとりとした私の視線にそう答えると煙草をぷかりと吹かした。

……そりゃまぁ、私が何か言える立場でもないけどさ。


「だが今回は別の場所を訪れたい」



……はぁ。そうですか。

というかまず吉原は今、鳳仙が死んでゴタゴタの真っ最中だから近寄らないのが賢明だよ。
言わずもがなその元凶は主に銀髪のアイツな訳だけど……。

などと考えていると煙草の火を消して松平長官が言う。


「んで、ばなっちゃんには将ちゃんのお忍び旅行が終わるまで一緒に行動してもらうんで宜しぃく」

「え、何でですか？」

「万が一、ばなっちゃんが浪士にでも捕まってプラン吐かされちゃあ危ないでしょォ」



……捕まんないって。





　




――……というか



「素直に言えばいいじゃないですか。私を囲っておきたいのはそちらの方なんでしょう？」



鋭くした視線に長官と将軍が息を呑むのを感じた。



「トランクに2人……あとさっきから後ろを尾けてきてる車に3人。それに運転手も――……御庭番衆ですよね」


こんなに囲まれて厳戒態勢じゃ、まだ浪士相手の方がお話通じそうだよ。

しかも極め付けは…………




「その将軍様だって影武者」




相変わらず信頼は薄いようだ。



　

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