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曲がり角でぶつかったのは、乱藤四郎だった。
俺と三日月さんは、乱についていきながら、どんな状況なのかを教えて貰う。
乱「ボクと秋田が外で遊んでた時に、急に中庭でおっきな音がして、気になって行ってみたら、みんなが血だらけで怪我だらけで倒れてて........。
手入れ部屋も満員だし、お札は主が使わない限り使えないし........たすけて主....このままじゃ....みんなが....!」
『わかった。手入れ部屋増やして........今すぐに増やせるかな。』
三「主の力さえ使って良いのならすぐに出来るぞ。」
『ありがとう。じゃあみんなの状況を見てから手入れ部屋増やそう。もう中庭つくし、乱は見たくないだろうから戻ってていいよ。案内ありがとう。』
乱「でも....。」
『秋田、ひとりにしちゃダメだろ?』
乱「....うん!」
乱を見送り、中庭へ急ぐ。
『........見えた。薬研が手当にあたって............!!!!!!!!!!』
その光景は、目をそらしたくなるほどに酷かった。
さっき、元気な姿を見送ったばかりのみんなが、今にも息絶えそうな程に苦しみもがいている。
手入れ部屋に入ったのは、重症だったであろう一期一振とへし切長谷部か。
他のみんなも、厚を守ったのだろう。
切り傷だらけだ。
厚は左腕に少し深い切り傷がある程度で済んだが、自分のせいだと思っているのか、刀を握りしめてカタカタ震えていた。
『早急、手入れ部屋増やせるだけ増やして。』
近くであたふたしているこんのすけに声をかける。
はい!という返事とともに、今ある手入れ部屋の横に新たに二つの障子ができた。
まだなんとか喋れる本人の申し出で、石切丸さんをあとに回すことにし、今剣と五虎退を部屋に入れた。
石切丸さんを薬研と三日月さんにお願いし、俺は厚の傷が悪化しないように、少し治療をした。
『....はい。これで菌が入ったりはしないと思う。』
厚「........。」
『....ねえ厚。』
厚「ビクッ))」
『何があったのか、詳しく聞かせてもらっていいかな。』
厚「....。」
やっぱり怖いよね。思い出したくもないだろうね。
『ちょっとみんなの様子見てくるから、ここで待ってて。』
今は余計なことをしない方がいい。
俯いたままの厚が気になるけど、みんなも気になる。
部屋を出るために厚の横を通った俺は
厚のにやけた顔に、気づくことは無かった。
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魄鴉(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!僕も、自分で書いたものですが読み返すと切なくなります。最後まで、主くんのことを見守っていてください!ありがとうございます! (2018年8月8日 19時) (レス) id: d3265c7f63 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - いつも拝見させていただいてます。主くん切ない。続き楽しみにしてます。無理せず頑張ってください! (2018年8月8日 18時) (レス) id: 759235ef95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魄鴉 | 作成日時:2018年7月3日 19時