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あ、見えた。




あの日、櫟木さんと一緒にここに来た時の魔法陣。



よく見ると、いろんな家紋が描かれている。




....あ、これ、俺の家のやつ。



なるほど。審神者になった人達の家紋が描かれてるんだ。



櫟木さんがいろんな本丸に連れてった人達の家紋が。





........大事に、遺しておくために。




『........櫟木さん、来てくれませんか?あなたがいないと、俺、帰れないんです。』




魔方陣に向かって話しかけると、数秒で目の前に櫟木さんが現れた。



どこから声を聞いているんだろう。




櫟「........本当に、いいのですか。」




『そんな顔しないでくださいよ........。いいんです。その方がみんなも幸せになれるから。』




櫟「そうですか....。ですが、やはりそれを望んでいない方も居るようですよ。」




『........え?』





櫟木さんの視線を辿って後ろを見ると、息を切らした燭台切と






『....なん、で........石切丸、さんが....?』




石「........君が傷付くだろうと思って........私だけにとどめておいたのに....まさか自分から皆さんのところに出るとは....。私は、事の真相を全て覚えている。だから、何も知らない君を、ほかの皆さんのせいで傷つけたくなかった。私がきつく言って、誰にも会わずに........ここから離れてくれればよかったのに。............私は、君を信じているよ。いつか、帰ってきてくれると、信じているから。」




燭「僕も!絶対に、みんな思い出させて、必ず君を迎えに行くから!!櫟木さん!ほかの主なんて、探さなくていい。僕達がAを迎えに行くから。他の人、連れてこないでください。


A!約束するから!絶対絶対、何年かかっても、必ず君を迎えに行く。だから、待ってて。」





『............。』








俺は、返事をしなかった。




目を合わせることも、言葉を交わすこともしなかった。






そんな事したら、涙が溢れそうで。



余計に帰りたく無くなっちゃうから。








待ってて、か。






その約束






本当に守ってくれるなら。








俺は、待ってる。


待ってるよ。








『燭台切、石切丸さん。




愛してくれて、ありがとう。







俺、この本丸のみんなが、大好き。




愛してる。





愛してるよ。』






移動する寸前に、顔を向けずに言った。





だけど、伝わっているはずだ。






あぁ、この感じ。久々だな。







シュン









さようなら。

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魄鴉(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!僕も、自分で書いたものですが読み返すと切なくなります。最後まで、主くんのことを見守っていてください!ありがとうございます! (2018年8月8日 19時) (レス) id: d3265c7f63 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - いつも拝見させていただいてます。主くん切ない。続き楽しみにしてます。無理せず頑張ってください! (2018年8月8日 18時) (レス) id: 759235ef95 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魄鴉 | 作成日時:2018年7月3日 19時

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