【刀剣乱舞】愛されたかった。愛したかった。【男主】

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一歩、一歩



この本丸を噛み締めながら大広間へと向かう。




この廊下を歩くのも、みんなの部屋の前を通るのも........。




何もかも、最後。





なんでこんな作りにしたんだろう。審神者部屋のすぐ隣に大広間でいいのに....。



まあ、次の主が何とかしてくれるでしょ。









次の........主。



どこの、どんな人を、櫟木さんは選ぶんだろう。




俺は後継者を決めてないし、そもそも指名するような友達や家族もいない。



櫟木さんが選びに行くだろう。




........櫟木さんなら、大丈夫か。



ちゃんと、しっかりした人を選んでくれる。



安心してみんなを任せられるような、みんなもすぐに受け入れて、戦場で走り回れるような、そんな立派な人を。




俺は最初、暇つぶし程度のつもりできたから........。




『........あー....なんで....ズキズキちくちく、、、、、胸が、痛い。』




まさか、嫉妬してたり。



ダメだよ。俺がこんなこと思っちゃいけない。



みんなは姉さんの刀。



それを俺が、引き受けただけ。





俺の刀じゃない。




『俺のじゃない。こんな感情持っちゃいけない。これからみんなとお別れするんだ。しっかりしなきゃ。』





あれこれ考えていると、いつの間にか大広間についていたらしい。



中から一際大きな、初めて俺の名前を呼んでくれた刀の声がする。







《あいつのことは関係ないだろう！！なぜこれからのことを話すのにあいつの名前が出てくるんだ！！二度とその名前を出すな！！！》






ズキン





痛い。




痛くて痛くて、可笑しくなりそう。




でも、これが、生半可な気持ちでここに来てみんなを傷つけた俺への罰だ。



受け止めなきゃ。そして、そんなことされても気にしないって、流さなきゃ。






『俺は、今から........悪者。


みんなを捨てる........悪者。』







最後の最後にみんなを苦しめることになるなんて。




でも、そうするしか俺には出来ないから。





だから、こんな俺を






どうか









許さないで。








ｽﾊﾟｰﾝ!!







『みんな、主の俺抜きで会議なんて、酷くない？』

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