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目の前に広がる赤。
腹部に広がる生温かい感触。
首に感じるピリピリとした痛みと
右半身にのしかかる重み。
力なく短刀が床に落ちる。
『....え、？』
俺を殺そうとしていた厚が、突然倒れた。
真っ赤な血を出して。
何が起こったのだろうか。
俺はなんで生きているのだろうか。
俺にもたれて荒く浅く呼吸をしている厚から目を離し、障子の方を見る。
そこに居たのは、意外な人だった。
燭「A！大丈夫！？」
『....燭台、切........なんで、？』
燭「僕は....何があっても、君の味方でいるって決めたからね。」
『でも！俺の噂、もう知ってるんじゃ....！』
燭「あんなの、信じるわけがないよ。きっとみんな、この子に洗脳されてしまっているだけなんだ。」
冷ややかな目で厚を見下ろす。
燭「....厚藤四郎くん。
僕達の厚くんはどこだい？」
刀を、瀕死の厚藤四郎に突きつけ問いただす。
厚は、俺の顔の横でﾋｭｰﾋｭｰと呼吸をしながら、絞り出すように声を出した。
厚「べ、って、、、い....の、もの、おき....。」
『別邸の物置....。』
そこに、俺たちの厚藤四郎がいる。
はやく、行かなきゃ。
燭「A....。」
行っておいで
早く助けて
優しい中にも激しい焦りのある目で、そう訴えてくる。
行かなきゃ。俺が、厚を助けなきゃ。
俺にもたれている厚藤四郎をそっと寝そべらせて、燭台切に"後はよろしく"とだけ伝え、部屋を飛び出した。
別邸の物置。
行ったこともないし場所すら知らないけど、そんなことで立ち止まってる暇はない。
俺が、厚がいると思った方に進むだけ。
お願いだから、無事でいて。
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魄鴉(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます！僕も、自分で書いたものですが読み返すと切なくなります。最後まで、主くんのことを見守っていてください！ありがとうございます！ (2018年8月8日 19時) (
レス) id: d3265c7f63 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - いつも拝見させていただいてます。主くん切ない。続き楽しみにしてます。無理せず頑張ってください！ (2018年8月8日 18時) (レス) id: 759235ef95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魄鴉 | 作成日時：2018年7月3日 19時
