生き残った男の子 ページ6
規則的な車輪の音と、そこかしこから聞こえるざわめき声。
私は窓際で興味深そうに外を眺めるセシルを撫でながら、持ってきた本をペラペラと捲っていた。
タイトルは、ジュール・ヴェルヌの『地底旅行』。
マグルには疎くないし、彼らの考えもよく知っているから、とても面白い。
と、その時。
「あの…。ここ、空いてる？」
ガチャリとコンパートメントのドアを開けて、黒いクシャクシャの髪に丸眼鏡の男の子が入ってきた。
「ええ、空いてるわ。席がなかったの？」
「うん…」
「そう。混んでるもの、仕方が無いわ。どうぞ座って」
私は向かいの席に置いていた上着を退けて、男の子に勧めた。
男の子は控えめにそっと座って、安心したようにほーっと息をついた。
「はじめまして。君も今年入学なの？」
「ええ、そうよ。はじめまして、私はA・ドレッドノート。アラン・ドレッドノートの娘です」
「僕は、ハリー・ポッターだよ」
「…えっ、今、なんて？」
「あ、えっと、ハリーって言うんだ。ハリー・ポッター」
私は、驚いて目を見開いた。
あのハリー・ポッターが入学するなんて、お父様は一言も言わなかった！
思わず大きな声を出そうとして、はっと気がついた。
ハリーは、不安げに私の様子を観察している。
その仕草とこれまでの彼への周りの態度に思いを馳せ、私はすっと冷静になった。
ここであまりに大袈裟な態度をとるのは、良くないかもしれない。
「そうだったの…そう、よろしく、ハリー。
あなたと友達になれて嬉しいわ、どうか私のことはAと呼んでね」
「うん！ありがとう、A」
ハリーは嬉しそうに笑って、私達はそれからいろんな話をした。
私が持っていた『地底旅行』に興味を示したハリーに見せてみれば、マグルの本だから親しみやすいのか、面白そうに読んでいた。
私がホグワーツについたら本を貸すことを約束すると、ハリーは満面の笑みで礼を言った。
5分ほどそうして話していると、また突然コンパートメントのドアが開いた。
「ここ、空いてる？他はどこもいっぱいなんだ」
「あっ、さっきの！」
にんじんのような明るい赤毛にそばかすの、同じ歳くらいの男の子が入ってきて、親しげにハリーに挨拶をした。
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アキラ(プロフ) - 凜香さん» コメントありがとうございます。更新がなかなか遅くてすみません。あんまりデレが強めのスネイプ先生が苦手なのでうちのスネイプ先生は遅咲きかもしれません、ごめんなさい… (2020年1月15日 23時) (
レス) id: bba48d4b5f (このIDを非表示/違反報告)
凜香 - オモシロイでーす！ちなみに私の押しはスネイプ先生ですね。 (2020年1月15日 0時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アキラ | 作成日時：2018年12月17日 15時
